インディアンジュエリーの中で価値が上がっているものとは何か
何回か「インディアンジュエリーは価値が上がる」という言い方をしてきましたが、その中でも特に最近見かけなくなっているスタイルというものがあります。
最近見かけなくなっているというのは、作り手が減っているということなので今後の価値も上がっていく可能性がある、またはすでに価値がどんどん上がっているものということになります。
作家が高齢化していき流通する量が限られてきていますし、主な原料であるターコイズの値段が高騰しているの、一言でいえば「すべて価値が上がるだろうといえる」のですが、その中でも近年とても手に入りにくくなっているものを紹介します。
インレイもの
シンプルなインレイ物はまだ見かけることがありますが、こういったズニの大きいものは本当に見かけることが少なくなりました。
ズニ族のインレイアーティストの高齢化も深刻です。
手間がかかる割に高く売れないインレイのジュエリー。作れる人がいなくなる前に、何か手を打たなければ本当に廃れていってしまうと常々思っています。
クラスター
https://japanswlife.com/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%A7%E8%B6%85%E4%BA%BA%E6%B0%97%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC/
こちらの記事で少し現状を書きましたが、「手に入らないから探している人が多い」というのも市場価格を上げている原因でもあるかもしれません。
すでにカットしてある石を使ったクラスターとは違い、上の写真のものは「石を手でカットして、はめ込んでいるもの」で伝統的なクラスターのスタイルはこちらの「作家が石を自分でカットしているもの」が多いです。
インレイと同じ作業。
気が遠くなるような細かい作業の繰り返しです。
素材でいえばターコイズはもちろん、サンゴの価格もとても高騰しているのでサンゴのジュエリーもとても少なくなってきています。
ハンドメイドビーズ
これは意外だと思いますが、手間のかかる「ハンドメイドビーズ」も作る人が極端に少なくなっています。
上と下のパーツを作り、穴をあけ、ロウ付けしていくビーズづくり。
機械工業化に負けてしまい作る人が少ないわけですが、やはりハンドメイドのビーズは機械のビーズでは出せない味や渋さなど、見る人が見ればわかる良さがあります。
ハイグレードの石もの
これは言わずと知れたものですが、1970年代以降に掘り起こされつくされたともいえるターコイズの鉱山たち。
インレイの材料であるターコイズが高騰しているということは、普通に使うターコイズの値段も高騰しているということ。
一概にターコイズといってもインディアンジュエリーの中では鉱山で分けられていろいろなうんちくがありますが、とにかく土からとれる自然の鉱物としてのターコイズ自体が全体的に高騰しているのは間違いありません。
まとめ
羅列してみると、「手間がかかって割に合わないスタイル」からどんどんと淘汰されて言っているのがわかります。
「ハンドメイド」である意味がしっかりと価値に載せられるような市場作りをトレーダーやバイヤーさんが日々がんばってクリエイトしています。
個人的には「ハンドメイド」VS「機械」という議論はとてもナンセンスだと思っていて、ちゃんと説明すればどちらでもいいし、「ハンドメイドにはハンドメイドの良さ、機械には機械の良さ」があるのは明らかなので、「ハンドメイド」だけがなくなっていくことは今後もないと思います。
でも、「商品そのものの価値を保って、職人さんが食べていける。」未来を作る必要があります。
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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