作家はどこにいった?

Indian Jewelry

お久しぶりです。最近はもっぱらPodcastでの雑談ばかりですが、たまにPodcastでもいい話だなと自画自賛する話をしていたりするので、思い出したら聞いてみてください笑

刻々と変わっていく世界情勢の中、今の現状を書き残しておこうかなと思い立ちました。

消えゆくアーティスト

今アメリカのトレーディングポストでは「ジュエリーの確保」がとても難しく、本当に死活問題になっています。

今まで卸売りをしていたお店が、卸売りができるほどの商品数がないから小売りだけにしますとか、商品数が少ないから値段を爆上げしますとか、それが当たり前の今。

本当のホントに、今日本にあるインディアンジュエリーがアメリカの卸値だと言えるジュエリーもたくさんあると思います。先が見えているコレクターの方なんかは今後絶対に値段が上がると知っているので価値のあるインディアンジュエリーは日本の市場でもどんどん売れていっている、それが今の現状です。

ダイレクト課金へとまっしぐら

もう一つの「ジュエリーが集まらない」理由は、お客さんへと直接売る方向になってきていること。高齢でもデジタルに強い奥さんがいたり、もともと顧客がついているアーティストはもっぱら「数を作ってトレーディングポストに売りに行くスタイル」から、「必要な時にお客さんに直接売るスタイル」にどんどんシフトしています。最終的な作品を作るアーティストだけではなく、材料屋、石屋、石をカットする人などもどんどんとダイレクト課金へとまっしぐら。

同じ収入を少ない時間で稼げるので、もちろん作家的には楽ですが、その結果「インディアンジュエリーが市場に出回る数」というのがめちゃくちゃ少なくなり、価格も押し上げています。

もちろんSNSとかでは新作投稿とかしてるけど、現地のトレーディングポストにはもう作品はほとんど売っていない、みたいな。

作家にとっては効率的ではあるので当たり前の変化だけれど、中間的立場のトレーディングポストや、バイヤーさんはお客様より後回しのことが多いので苦労してます。

まぁ元々、インディアンジュエリーを作るのは生活のためという人が多いですからね。

それが作家どこいった?とか、あの人と連絡つかないんだけど?とか、最近ジュエリー見なくなったね、の正体。

どんどんこれは加速していくんでしょうね。

店で選んで買う楽しみを忘れずに

こんな今の状況になると、ますますこの過去ブログをもっとみんなに読んで欲しいと思います。

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作家がお客さんとのやりとりに面倒くさくなっちゃって、連絡が取れなくなって困ってますと言う話も本当に多くなってます。英語では『NOT MY BUSSINESS』私には関係ない!ですが、アメリカでこの仕事をしていると、この連絡がよく来るんです。

だから、勉強してほしいとつくづく思う今日この頃。バイヤーさんがたくさんの犠牲を払って確保しているジュエリーたちが日本に流れ着いています。

ダイレクト課金は、ホント自己責任。

日頃インディアンジュエリー屋さんのバイヤーさんが使っているその精神力、時間、活力を自分が払うんだと言う覚悟を持って、ダイレクト課金をすることを忘れずに。

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