ネイティブアメリカンの魂の食べ物

Native American

ネイティブアメリカンの魂、コーン

 

これは近所のおじちゃんの家で昨日撮影したもの。

ここネイティブアメリカンの土地にも作物の植え時がやってきました。

ネイティブアメリカンの食べ物といえば、「コーン(トウモロコシ)」です。

写真ではトウモロコシを植え、苗になって大きくなるまで古い缶をかぶせて鳥やウサギなどに食べられないようにしています。

 

今年2019年、冬は雪が多く、春も雨がたくさん降ったので「実りの年」と予想されます。

 

「雨の量と作物の収穫量が比例する」のは頭ではわかっていても、日常生活で実感することってあまりないですよね。

雨量の極端に少ないここニューメキシコ州、アリゾナ州では降水量が作物に影響し、それはすなわち命に影響するということなので、ネイティブアメリカンにとっては「雨、雪、コーン」は命そのものとしてとらえられます。

ネイティブアメリカンにとっての、水。
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ご存知、ジュエリーのモチーフとしても多様されます。

ただの「食べ物」としての意味を超え、「命そのもの、祈りそのものの象徴的存在」であるコーン。

 

現在はネイティブアメリカンでも普通のアメリカ人の生活をしている人がほとんど。スーパーに行けばいつでも新鮮な野菜が買えて、パックに入ったお肉が手に入る。

 

作物の育ちにくい環境のリザベーションで、手間をかけてコーンを育てることは効率的ではありません。それでもコーンを育てるということに誇りをもつネイティブアメリカンの人々。

 

「トウモロコシを植え、育てるという行為」は、「ネイティブアメリカンとして生きること」そのものとして捉えられ、ただただ食物を育てるという行為を超越しています。

 

歴史のある食べ物

これは遺跡でよく発見されるトウモロコシをつぶす石。

この石は、ナバホ族の儀式にもよく使われます。

「結婚式、成人の儀式」といった信仰に限らず行う儀式に、この「トウモロコシをつぶす行為」というのが「食べ物に困らないように」という意味で取り入れられます。

 

そして「トウモロコシの花粉」は儀式に欠かせないもの。

ネイティブアメリカンの人々が必ず持ち歩いている革の袋に入ったトウモロコシの花粉。

お守り、儀式、浄化、様々なシーンで使われます。これが本来「メディスンバッグ」と呼ばれるもの。ネックレスとして使うのではなく、袋としてトウモロコシの花粉を入れておくのがネイティブアメリカン式です。

 

 

 

普通のトウモロコシとは違う

一概にトウモロコシといってもいろいろな種類がありますが、ネイティブアメリカンが育てるトウモロコシはこのような通称「インディアンコーン」と呼ばれるものです。

 

実はトウモロコシって、コロンブスのアメリカ大陸発見とつながっているそうです。

トウモロコシといえばメキシコって感じですよね、メキシコからコロンブスの大陸発見で世界に広まっていった食べ物なのだそうです。

もともとメキシコのネイティブインディアンが育てていたものですが、コロンブス以前からアメリカのネイティブアメリカンとトウモロコシ、コーヒー、儀式のイーグルフェザーなどの交易もあったという研究があります。

 

普通スーパーに売っている食用のものは「ホワイトコーン」や「イエローコーン」などいうスイートコーンのように甘さがある品種改良されたものだと思います。

ネイティブアメリカンの人々が畑をやる際に使われるのは、「インディアンコーン」と言って、メキシコから伝わった原種に近いもの。

甘さよりも、もちっとして歯ごたえがあるトウモロコシ。

 

赤や青といった色味のあるトウモロコシも「インディアンコーン」と呼ばれ育てられることの多い品種です。

 

収穫した後は、乾燥させて石で引き、粉にしてそこからコーンミールを作ったり、伝統的な食物として儀式に出す用のメニューに変身します。

 

まとめ

ネイティブアメリカンにとっての「コーン」は日本人にとっての「お米」だと思います。

お米は主食であると同時に、神様に御供えし、そこからお酒を作りお酒で身を清めるという意味があり、藁で神様を飾る神具をつくったりします。

食がそのまま命につながっていた時代の名残です。

やっぱり日本の文化とネイティブアメリカンの文化って似ている。

そう考えると物理的には遠く遠くにいるネイティブアメリカンがとても近くに感じるのです。

 

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