販売員という仕事

Indian Jewelry

連日の雪で、学校が5連休になりました。

あさっても大雪だそうです。

こういう場合は日本だったらその分の先生たちの教育ノルマを猛烈に追い上げなければならないと思うのですが、きっとアメリカはそういうの緩い、(気がする。まだ小1だから私も何にも気にならないけど。。)

 

さて、今日のお話は「販売員」について。

「ハンドメイド」の価値って何⁉︎

インディアンジュエリーは恐ろしいほどに今でもハンドメイドの工程が占める割合が高いです。本当に、この時代に⁉︎って言う手法でまだまだ作っています。

 

「アート」と「伝統」ってどこの国もそうだと思うんですが、結構微妙な距離にあります。

〇全部機械で作られていても、今までにないコンセプトで作られていたら、「アート」という意味での「大賞」をとる事があります。大賞を取ったことで一気に有名になり、機械で作られたアートがたくさん売れることもある。

 

〇一方で時間がかかる「伝統的な」手法で作られたずーっと変わらないものというのもあります。

〇そして最も多いのがその間。伝統的なハンドメイドや手法で、自分のスキルやデザインを磨いているアーティストたちの作品。

インディアンジュエリーってその毛色の違う3つが普通に一緒にみんな同じマーケットに一括りにされています。

作り手の意思

作り手はアーティストだから、「こだわりをもって自分の作りたいものを表現していく」事が出来るのが一番いいと思います。

でも実際問題、その作品が「お金に変えるための作品」でないとダメなわけです。「自分が作りたいもの」とは必ずしも一致しない。

 

色々な作家を見ていますが、私の夫は(これは身内のなんちゃらってやつではなく、)本当にダントツで仕事が細かい。小さいところのこだわりがすごくて、私なんかには分からないNGポイントがいっぱいあって、そこにそんなに時間かけるの?って思う時が見ていて沢山あります。

すでにネジってあるワイヤーを買えばいいのに見た目が違うからとわざわざ自分でドリルでワイヤーをねじり、採寸や仕上げのこだわりもものすごい。自分が満足していないと絶対に売り物にはしない。

職人、アーティストって確かにそうあるべきだと思います。

そこが芸術を評価するものさしになります

お客さんの意思

では作り手がどういう気持ちで、どこにこだわりをもって作られているか、どこまでが手で作られているのかという情報、お客さん側から見たらどうでしょうか?

「見た目、ブランド名、価格、知名度」が重要視されがちで、それがどう作られているか、どこで作られているかなんて考えて買う人なんてほとんどいません。

そうなると夫のこれなんかは、もはやシルバーじゃなくてよく、たとえ同じような価格でも「同じようなデザインであれば有名なチェーンジュエリー店のものの方がいい、」という判断になってしまう。

販売員(店員)さんの意思

そこで。

「カウボーイで自分も馬の調教をするアーティストが、馬のビットのデザインから作ったものなんですよ。ワイヤー部分はなんと自分でねじっていて、一つ一つがハンドメイドで作られています。有名店のにも似ていますが、こちらは全部1人のアーティストが一つ一つ作ったものなんですよ。」

という一言を言われたらどうでしょう?

店員さんのおかげで、この作品に有名店のジュエリーとは全く違う背景がつきました。

ここで作家の意思を店員さんが説明できるかできないかで、商品自体が全く違うものになります。

 

そう、販売員の仕事ってとても尊いと改めて感じます。(その割にどこも時給が低いし、販売員のイメージってなかなか上がっていないような気がするから、歩合制に大賛成!)

作家への愛、作品への愛を感じられるかどうか、が分かれ道。

販売員として「面白くないな」って思っていたとしたら、今販売しているものについて、作られた過程、作家、デザインした人のこと、などなど調べてみたらいいと思います。

バイヤーは「作家や作品を見つけて、販売員に託すこと」しかできないけれど、販売員は「作家とお客さんを直接繋ぐ」ことができる。

私が販売員をしていて一番楽しい時間はそこです。

「この作品の良さをわかってもらえた。この作家のことをわかってもらえた!」

特に楽しいのは、お店に入ってきた時にインディアンジュエリーについて何も知らなかった人にガッチリと興味を持ってもらえた時。

買う買わないは別としても(もちろん買ってもらえるに越したことはないけれど)ただ興味を持ってもらえた、分かってもらえた、この人の人生の中に入れた、という経験ができる販売員って本当に尊い仕事だと思います。

たくさんの知識が必要な商品は特に。電化製品とかもそうですよね?

私は作家の知識と愛だけは他人に負けません(笑)

店じゃなく、ブランドじゃなく、商品じゃなく、店員さん。

これからは店員さんで商品を選ぶ時代だそうです。

(私は、表面だけをなぞってお金を稼いでいる人たちはどんどん淘汰されて、そのうち商品への愛があるお店だけが残っていく説を信じています。)

アメリカはレストランでもチップ制なので、ウェイトレスをチップで判断する基準が習慣化していて、大手のスーパーですら販売員の態度が悪かったり説明をちゃんとしなかったりするとすぐにマネージャーに呼び出しがかかります。

でも日本ってそういうシステムってあまりないですよね?

あなたがモノを買っているのは実は店員さんによる働きがとても大きい。

だから気に入った店員さんがいたら素直にそれを伝えて、評価して、リピーターになってあげてください。SNSに発信してもいいし、ただ口コミで友達に言ってあげるだけでもいい。

自分の仕事を判断してもらえる評価というものがとても少ないので、それだけで本当に販売員としてはうれしいものです。

 

ビバ店員さん!

↓この記事も最終的にはそんなことを書いている。

バイヤーという仕事
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