この中心にあるモチーフ、インディアンジュエリー好きなら必ずと言っていいほど見たことがある有名なモチーフです。
「マンインザメイズ Man in the Maize」
直訳すると「迷路の中の男」という意味。
ホピ族のオーバーレイと呼ばれる、「一枚のシルバーを糸鋸でハンドカットしていく手法」に用いられる代表的なデザインです。
この輪が8個あるのが本来の形です。
(※ジュエリーが小さくなったりすると入らないので、そうじゃないものもあります。)
このデザインの意味がまたとても興味深いのでご紹介します。
一般的に知られている意味はこれですね。
ホピ族のモチーフとして知られるこのマンインザメイズの男ですが、実はパパゴ族というアリゾナの南、フェニックス近くに住む人口3万人の小さなインディアンの部族が「クリエイター」として信仰するもので、I”itoi と呼ばれます。(日本語で発音すると、イートイです。)
パパゴ族は、これも開拓民につけられた名前として今ではパパゴ族と呼ばれず「トホノ・オ=オダム」(砂漠の人々)と呼ばれることが多いです。
彼らの口頭で伝えられる神話の中に、こんな風に登場します。
(その洞窟への訪問者は、安全な帰還ができるように贈り物を持ってくるように求められます。)
またピマ族では、「お兄さん」という意味で呼ばれることもあるそうです。
トホノオオダムの神話
さてここからは結構衝撃的なこの「イートイ」と呼ばれる男の神話です。
地球はその男が肌から削り取った汚れや汗で、アースメーカーによって作られました。平らな地球は落石の衝突で空に出て別れ、そしてその2つからイートイが生まれました。
彼は薄い髪とひげを持っていました。イートイとアースメーカーは新しい世界を形作り、人々を作りました。彼らの周りをいつもコヨーテが追いかけていました。
この新しい世界では洪水がありました。そして、彼らが避難する前に、イートイ、アースメーカーとコヨーテの3人は洪水が収まったあと最初に出てきた1人が彼らのリーダーになることで同意しました。
先に登場したのは作者のアースメイカー、そして次にイートイだったのですが、イートイは自分が一番だったといってリーダーの座を取ったのです。
その後、イートイは「人々を子供のように育てて」ました。
人々に彼らの芸術を教え芸を与えたのですが、最終的に結局彼は不親切になり、人々は彼を殺すことになります…。
しかしイートイは殺されたにも関わらず、とても力が強かったために再び生き返りました。
それから彼は戦争を発明しました。イートイは彼が自ら作った人々が住む地球を一掃することにしたのです。そのために彼は軍を必要としており、この目的のために彼は地下に行き、パパゴ族を育てました。
ホホカム族に属していた荒廃した遺跡が点在する土地に住んでいたパパゴ族を、イイトイは北へ、南へと走らせました。イートイはすべての出来事に歌をつけていました。
彼の部下は戦を行いましたが、イートイは敵を盲目で無力にしたのは自分の歌の力だと言い張りました。
イートイは世界から引退し、小さな老人で、山の洞窟に住んでいます。おそらく彼は地下に行ったのでしょう。
どうですか?マニアックな神話ですが、すごい話ですよね。
私は、聖書を思い出しました。出来事はもうイエスキリストそのものですよね。
こんな人生を歩んできたイートイがマンインザメイズとなっているのです。
まとめ
これはピマ族の言葉。
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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