ターコイズの買い方

Indian Jewelry

ターコイズの基本情報

インディアンジュエリーのテイストを入れた日本のブランドというのが近年とても増え、そのためにターコイズを自分で買いたい、という人がいらっしゃいます。

でもアメリカに実際来てみて、「いったいどうやって買うの?この表示は何?」という人が結構多いです。

 

ターコイズがアメリカでどうやって売られているか、皆さん知っていますか?

写真のようにボックスに入って売っていたり、ケースに入って売られたりするのですが、その時に皆さんがあまり知らない基本というのがあります。

 

ターコイズは、カラット売り。

こんな風に、すでにカットしてジュエリーにセットできる状態になっているものを、「キャボション」といいます。

ターコイズでも、ラフ(原石のまま)、ポリッシュ(原石を半面や全面磨いたもの)、キャボション(成形して磨いたもの)といろいろな形で売られていますが、今回はジュエリーになっているだけのキャボションという状態のもののことを説明します。

 

ターコイズのキャボションは、基本カラット当たりで値段が付けられています

Natural Sleeping Beauty  $1.00/CT
こんな表示があったら、ナチュラルのスリーピングビューティ鉱山のターコイズ、値段は1カラット当たり1ドルということです。
カラットという表示はそう、ダイヤモンドとかと同じ。宝石と呼ばれるジェムストーンに使われる重量です。ターコイズはジェムストーンに相当することがわかりますね。
ちなみに、1カラットは0.2グラム。
カラット計がなくてグラムで測ったら、5倍にすればカラットになります。

 

↑店頭では測りで1個1個のターコイズの重さを測り、値段を出していきます。

 

 

この2つの石で、25カラット。

この石はあまりグレードの高いものではなくカラット当たり$1.00なので、2つで25ドル。

これがグレードが高く、カラット当たり$10.00とかであれば2つで250ドルとなります。

 

ターコイズには、バッキングというものがついている。
ジュエリーにセットされていると、ターコイズの裏側って見ることがありませんよね。
ターコイズの裏側って、通常はこういう風に黒かったり、茶色かったりします。
これはバッキングと呼ばれ、ターコイズそのものではありません。
ターコイズをカットし、成形する過程でターコイズが割れたり崩れてしまうことを防ぐためにつけられた、いわゆるセメントみたいなもの。(デフコンとかパティとか言われます。)
ターコイズをラフからキャボションにする過程。
ターコイズをスライス
バッキングをつけて乾かす
成形するための棒をつける
成形
ひたすら粗さの違うベルトを使い分けて磨きをかける
かなりの手間暇がかかっています。
だから、石をカットする仕事というのはやりたがらない人も多いんですよね。
ターコイズはあまり固くない原石が多いので、このキャボションにする過程で割れてしまったり崩れてしまったりする、それを防ぐためにこのバッキングが付いています。
ということを踏まえて、先ほどのカラットの重さはこのバッキング込みの値段。
ターコイズのキャボションを購入するときは、「ターコイズではない、バッキングの部分」にもお金を払わなければいけないのです。
そこで、バイヤーの出番。
キャボションを購入するときは、バッキングが厚すぎないかどうか、必ず確認して店頭に並べます。
※ターコイズのカットをする人たちはすでにこの「バッキングが厚すぎると買ってもらえない。」という一連の流れをたくさん経験してきているので、「バッキングが超厚い、有り得ない!」ということはほとんどの場合がありません。
一通りこのバッキングの説明をするとターコイズの裏側を初めてみた人はびっくりして、「それ詐欺じゃん!」とか言われたりするのですが、詐欺でもなんでもなく、それがターコイズキャボションの常識です。
ターコイズの硬度がちゃんとあるとこんな風にそのままカットすることもでき、いちいち棒をつけてカットするほどの大きさではないターコイズなんかはそのままの形でキャボションにすることもあります。
でもバッキングをつけてないとジュエリーにセットした後にターコイズが割れてしまうという危険性もあるので、どっちもどっちという感じ。

ターコイズのセットにはおがくずを使う

Sawdustとよばれる、おがくず。

インディアンジュエリーには古くから、石をセットする際にこのおがくずが使われてきました。

石の下におがくずを入れて、その上に石を置き、ベゼルを締めて石を留めます。

接着剤などは一切使わない人も多い。

 

でもジュエリーが多様化するにあたって、湿気や高度の環境の変化で「石が取れてしまう」ということが増えているので、現在ではなるべく接着剤を入れてもらうようにしてもらっています。

 

高い石を無くしたら、ショックですからね。。。。

 

まとめ

アメリカでは常識でも、日本では知らない人が多いターコイズの裏側とカラット売り。

一つ一つ手でカットしているターコイズのキャボションは、とてつもなく手間暇のかかったハンドメイドの石といってもいいと思います。

人件費が安い中国でカットすればいいじゃん!って言って中国にカットを頼んでいた会社もたくさんあるようですが、高い値段のターコイズを預ける信用問題で結局ほとんどのところが撤退し、アメリカで、自分たちの信用できる人たちにカットしてもらうというのが今のところの現状です。

ターコイズジュエリーの今後
日曜日からプロパンガスが切れていて(自分たちの不注意ではなく、会社が来て入れようとしたらパーツが古いから入れられません、月曜まで待ってくださいって言われて切れてしまった。)ガス台が使えず、冷たいサンドイッチとレンジでチンでしのいでいます。...

コメント

  1. Romy より:

    おがくずは知らなかった!!!勉強になります。