ネイティブアメリカンの昔と今

Native American

日本のとてもとても田舎といわれる町も30年前から比べると大きな変化があるように、変わらないように見えるネイティブアメリカンの暮らしもとても変化しています。

変化の仕方が都会とは違って遅い、または緩いというだけで「変わらないもの」と「変わったもの」が混在していてとても面白いネイティブアメリカンの生活。

 

昔と今で一番変わったのは移動手段

 

 

テクノロジーの進化で「物理的な距離が近くなった」というのが一番の変化。

1970年代、80年代はまだ「馬車」というものを使っていた人もいて、実際に夫のおばさんは街に出かけるときに馬車で行っていたそうです。

馬がまだ重宝されているのはその理由もあります。

(昔)馬をたくさん所有している=(今)車をたくさん所有している

みたいなことです。こう見ると馬が直接財産として換算されることがわかります。

 

おばさんの持つ馬車に乗って、みんなで年に一回町にあるお祭りに行き、数日野宿やキャンプをして戻ってきたといいます。

 

仕事は羊飼いから時給制へ

「羊飼い」が伝統的なナバホ族の仕事。

 

「若いころは、羊飼いをしていてねぇ。」とか

「おばあちゃんの羊の世話をしにリザベーションに行かなきゃいけない。」とか、日常的によく聞く会話です。

 

羊飼いはとても大事な産業。

〇羊の肉を食べることができる。

〇羊と物を物々交換できる。(トレーディングポストには今も羊を売りに来て物と交換する人がいます)

〇羊の毛は羊毛としてお金に変えることができる。

〇羊毛から織ったラグは工芸品として高く売ることができる。

羊を持っていると、いい事だらけ。

でも羊が何頭もいて、放牧している羊たちを時々集めて様子を見て、病気の管理をして、とても重労働です。

これを、今の50代から上の世代の人は結構な割合で経験しています。

私の夫も母が羊を放牧していたので、たまに売りに行かなければいけなくなると自分たちの羊を馬に乗って探しに生き、羊を集めて数を数え、売れる羊を連れて帰るという仕事をよくしていたそうです。

子供の頃は本当にそれがイヤだったのだとか。親からやれと言われた仕事って大体イヤですよね笑

それでお金がもらえるわけでもない。

でもそれが経験として身についていて、母親がどんなに大変な仕事をしていたか知っていると今では言います。

ちなみに日本から友達が来ると、「新しい羊飼い!?」なんて冗談を言われます。

今では「必要になったら羊を売る究極のその日暮らし」の生活から、もっとお金への依存度が高くなって、「安くても安定して時給がもらえる場所」にいる生活へとシフト。

日本と同じく、「毎日安定して時間でお給料がもらえる仕事の方が仕事として認められる」気がします。

作家の生活って本当に素晴らしいけど、言ってしまえば「フリーランス」「実業家」「個人事業主」「デザイナー」「クリエイター」「アーティスト」「マーケター」「セールスマン」全部自分でやっているわけです。

うまくいけば自由が手に入りながらお金も手にすることができるけど、大抵の人は作家であっても支払いのために働くという状況に陥ってしまいがちです。

ジュエリーの基本は変わらない

ジュエリーはどう進化したか。

機械化が進んでいるのは明らかですが、インディアンジュエリーのアーティストたるもの、「どこからどこまでがハンドメイドか。」にとてもこだわります。

 

機械を使ってデザインした作品が賞をとったとなったら大変!

「ハンドメイド議論」で大炎上することもあります。

「現代アート」と「伝統工芸」という商品が1つのマーケットにまとめられているのでいろいろな反対意見が出てきます。

 

あくまでも伝統工芸だから、手法や技術は基本全く30年前と変わっていません。

便利な道具は増え新しい技術が使われることがあっても、「伝統工芸としての表情がある代表的な作品」はこれからも普遍的に作られていくと思います。

まとめ

これからデジタル化がさらに進化し物理的、心理的な距離をどんどん取り払っていくと思います。

でもネイティブアメリカンはまだアナログで自然を信じ、独自の信仰を持ちながらスマホを触る。

その光景は今と昔が入り混じっていてとても不思議な空間です。

 

コメント