手仕事という魅力

Indian Jewelry

この商品はどこまでが手で作られているものか。

 

そんなことを考えたことはありますか?

っていうか、そんなことを考えて物を買ったことはありますか?

 

例えば洋服だったら、考えない人がほとんどですよね。

手仕事、ハンドメイドだと高いと最初からみんな思っているからかな?

ハンドメイドでなければ偽物とみなされるジュエリー

インディアンジュエリーの場合は本当に手仕事で作られている割合が多いので、機械で作られたものをパーツとして使うだけでも、それは本物じゃないとみなされることがあります。

銀板は機械で作られているし、銀の針金は機械で作られているからどこまでをハンドメイドしたものが本物かと定義する議論自体めちゃくちゃ難しい。

 

板やワイヤーはOKだけど、ほかの部分はハンドメイドのものを使うべき、というのが何となくのインディアンジュエリー界のルール。

 

例えば、ネックレスのビーズの部分に機械で作られたものが使われていたら、「あ、これはハンドメイドのビーズじゃないね。」と一つランクが落ちる、そんな感じです。

 例えばインディアンマーケットに出す作品は、こう言うものは出すべきじゃない、というなんとなくのルール。

でも機械で作られたパーツは、ネットでどこでも手に入る。もちろんインディアンじゃなくても使えます。

 

機械で作ったパーツを使ったものがそれっぽい感じでファッションジュエリーとして少し安い値段で売られいて、値段の違いはあるものの、インディアンジュエリーっぽいジュエリーの世界の中にはいろいろなものが存在するのでいまいち住みわけができていないんですよね。

 

一般の人には一目で判断できないところが大きい。だからまだまだネットで買うよりも、信用できる人から話を聞きながら買うべき商品なのです。

どこまでが認められるか

これはガラスのビーズを使って作ったピアス。

バーガーキングでお昼を食べていたら、売り子さんがやってきて売りに来ました。値段は10ドル。

針金とビーズで作ってあるので材料費は10円ぐらいでしょうか。

これが本当のシルバーを使って作っていたら、30ドルぐらいにはなっちゃいます。

フィリピン産のヒシのビーズを使って、ただつなぎ合わせて、「インディアンジュエリー」として売っている人もいます。

この写真はトップ部分はサント・ドミンゴの人たちが作ったハンドメイドですが、ネックレス部分はどうだろう、って感じです。

それはハンドメイドになるのでしょうか?

ネックレス自体も見た目はサントドミンゴ族が手でカットしたものとあまり変わらないように見えます。でも、材料費や手間賃が安いので、手でカットしたものよりも断然安いです。

さて、あなたは150ドルのハンドカットしたサントドミンゴ族のものと、フィリピン産のビーズをつないで作った50ドルのネックレス、どちらを買いますか?

手仕事の魅力をうまく伝えて、その価値を残していかないと本当に伝統工芸は廃れていきます。

中国産の安い畳と日本の職人が作った高い畳、どちらを選ぶか、そういう選択です。

まとめ

公私ともにお世話になっているアーティストで本当に多彩なアーティストがいます。

スタンプワークも、石ものも、正確に作ることも、ずらしてハズした感じで作ることもできる。すごく高い技術を持つ人です。

その人の作品をジュエリーのショーに出したら、「正確すぎるからこれはハンドメイドじゃない。」とジュエリーの品評、ジャッジをする人に言われたそうです。

アーティストがハンドメイドだと言っているにも関わらず、です。

「自分で作って、その過程をさらす」しかその工程の大変さというのはわからない。

でも自分で公表しても、わかってもらえないということもあります。

どこに価値を見出すかはお客様の自由。だからこそ手工芸品はまだまだチャンスがあるし、もっと底の部分をアピールして継承していかなければいけないなと思います。

そしてそこに価値を見出してもらえる世界になったらステキ😍

値段そのものを見て安い方を買うことを決めるんじゃなくて、そこに疑問を持つこと。

常識を疑えってよく言うけど、本当にその通り。

 

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