ネイティブアメリカンの儀式を決める仕組み

Native American

儀式を決めるのはどうやって行われているか

ネイティブアメリカンの魂の食べ物
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トウモロコシの種まきが終わり、これからが本格的なダンスのシーズン。

私が知っている部族で定期的に儀式やダンスが行われるのはホピ族とズニ族。

(ナバホ族には定期的に行われる儀式はありません。)

 

今週末、来週末、来月には大きなレインダンスと続々と「祈りのためのダンス」が行われます。

 

ホピ族ではたくさんの部落があって、さらにその部落の中にもクランと呼ばれる氏族があります。

儀式やダンスはそれぞれの氏族によって決められるので、熊の氏族が主催するダンス、雨の氏族が主催するダンス、などと氏族によって決められたいろいろな場所で行われるものがあります。

さらにダンスの種類もたくさんあります。

バッファローダンス、ロングヘアーカチナ、シャラコ、レインダンス、スネークダンス、ミックスカチナ、タートルダンス、発音や説明ができないダンスがかなりたくさんあります。

そしてその中でも「10年に一度しか行われないもの」「毎年必ず行われるもの」「毎年何回もいろいろな場所で行われるもの」と主催回数も様々。

 

ホピ族やズニ族の人々でもダンスや儀式の全貌をすべて理解することは不可能に近いといいます。なので部外者の日本人がいろいろ知ろうとすることがナンセンス。儀式やダンスに行くことができたら、その場の雰囲気をただ味わうのみです。

 

ネイティブアメリカンのダンスや儀式のルール5つ
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では、儀式の詳細を決めるのは誰なのか。

「チーフ」という存在がいて、その年の気候、出来事などを基にその氏族の重要な人物と一緒に決めるそうです。

インディアンジュエリー作家の中でも部族の中で特別な役割を持った人というのが結構多く、さらにその役割というのは(簡単に言えば町内会の役員のように)指名や襲名によって定期的に回ってくる役割。指名されたらそれはとても名誉なことで、ボランティアで一年中様々な儀式の準備や決定をしていかなければいけません。

 

よく聞く、ナバホ族の儀式って?
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感覚の世界

今週末ダンスがあるよ!〇〇という村でやるよ!というお知らせを誰かから聞いたら、まず昼なのか、夜なのかを確認。

昼間やらずに夜間のみというダンスもたくさんあります。(特に冬の間は夜間のみというダンスも多いので、環境的に行けるかどうか判断する必要があります。)

 

「何時から何時まで」という明確な時間はどんなダンスや儀式でも基本、ありません。

お誘いしていただいた人についていって行われるまで待って、ただ見る。

(もしあなたの時間が限られている場合、待つ時間だけで帰る時間になってしまいダンスそのものを見られない場合もあると思います。)

 

部族の人たちの中では、このダンスは大体どういう流れで、何時から始まるというのが身についているので何となくわかるようです。

さらに近くにいる人や野外に出ている人の様子をみて、「もうそろそろかな。」と家を出る。

 

感覚と経験、口コミの世界でそこに「現代の時間感覚」は存在しません。
なので普通の人には簡単には説明できない。しかもその時、その村、その部族によってやり方が違う。
質問されても答えがわからないことも多いので、よくわからないから見に行くことができないという人も多い世界です。

まとめ

儀式やダンスの本質は、「祈り」
雨が降り、作物が育ち、命をはぐくむための祈り。
外部の人のために儀式をやっているわけではなく、お金をとるわけではありません。

それでもこうやって外部の人に来てもらう意味は、

 

そこにたくさんの祈りをのせて神様に届けるため。
ダンスの祈りや祝福、その恵みを外部の人と分かちあうため。

 

ただただそれだけ。

儀式やダンスの本質を知ると、そこでの振る舞いも変わってきます。

 

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