さて今日はまたレアなスポットの紹介。
El Morro National Monument エルモロ国定公園。
スペイン人入植と大きく関わる地
ズニ族のリザベーションの近くにあるエルモロ国定公園。
エルモロという地名は、スペイン語で「鼻」という意味。集落近くにある「砂岩の高台」を指す言葉として、スペイン人のアメリカ入植者たちが、「突出した高台」という意味で使い始めたそうです。
平地に突如として現れる大きな岩。その岩が雨水を流して中に池が出来ていました。
もともと岩の頂上には1275年あたりにズニ族の先祖が建てたと言われる村が残っていて、そこには1500人ぐらいの集落があったそうです。
スペイン人が入植してきたのはその後、1500年代ごろ。
そんな場所です。
そこにたくさんのスペイン人が自分の名前を刻み、それがとても有名になっている場所。
その刻まれた名前のクオリティがめちゃくちゃ高くて、手で刻んだとは思えないカリグラフィーも多数あり、それが見どころとなっています。
ハッキリ言って落書きなのですが、そこに名前を刻んだ人はのちにかなり有名になるコンキスタドールたちなので、それが彼らがここに居た歴史的証拠ともなっています。
ドン・フアン・デ・オニャーテさんの1605年4月16日の落書きには、「太平洋を探す過程でここを通る。」と書いてあります。
このDon Juan De Onateさん、のちにかなり有名な人になります。初めてスペイン人でサンタフェの知事となった人です。
ちなみに、その公園の歩き方を解説すると・・・・。
建物に入ると受付のレンジャーの人が隣の部屋に案内して公園に関してのビデオを見せてくれます。英語だけどとても素敵なビデオだったので見ておくといいと思います!
トレイルは3種類あって、外に出る前にレンジャーの人が解説が入った地図を渡してくれるので、それをもって見ながら歩きます。
(勝手に歩き始めると何も訳が分からず、レンジャーに知らせておかないと迷う可能性もあるので注意!)
地元の人のイメージ
ここには、たくさんの岩絵(ペトログリフ)もあります。
ということはこれはスペイン人の入植がはじまる前の物。
スペイン人の入植がはじまってからはスペイン人の立ち寄り場所となっているため、ネイティブアメリカンにとっては敵の陣地であり、敵のたまり場。
こちらは「1709年6月25日、ズニに行く途中に寄った」という記載。
他に、「ホピを制圧してきた」という記載もありました。
上に出てきたドンファンデオニャーテさんも、ネイティブアメリカン(特にアコマプエブロ)へ残虐な仕打ちを行ったとされていて、彼の一生は日本語のウィキペディアにも翻訳されているので相当な有名人であったことが分かります。
ネイティブアメリカンにとっては戦いをしていた敵が集まっていた場所なので、知っているけどあえて行く必要はない場所なのだと夫は言っていました。
ズニの人々の言葉では、「岩に文字が書いてある場所」という名で呼ばれています。もともとズニの人々が住んでいて、スペイン人に追い出されてしまった場所です。
まとめ
ネイティブアメリカンの人々は、コロンブスデーを祝いません。
コロンブスデーはコロンブスがアメリカ大陸を発見されたとする日で、その日から植民地支配がはじまった日でもあります。
コロンブスは勝手に自分たちの土地を見つけただけであって、自分たちはもともとその土地に住んでいたから確かに何のお祭りでもないですよね。。。
歴史で聞くその植民地化はずいぶん昔のことのように思いますが、ネイティブアメリカンの思想や文化を学ぶ上で欠かせなくて、その歴史は黒歴史みたいな感じで彼らの頭にまだまだ強く残っています。
エルモロ国定公園、公式のHPはこちら。https://www.nps.gov/elmo/index.htm
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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