ネイティブアメリカンの人権運動

Native American

こんにちは。

経済再開の6月から、未だにコロナとの共生の仕方を自問自答中。きっと皆さんも同じですよね。家にいるだけだったら家時間を楽しもうと気持ちを切り替えられましたが、週末の外出禁止は続く中仕事に出て、でも自分の好きなことは自粛しなければいけないという強烈なストレスを先週から急に感じています。学校は9月まで開始延期が決定していますが、開始してもとりあえず3か月はオンラインという方向で進んでいます。まだまだこの生活は続きます。

侵略者の銅像撤去

さてBLM (black lives matter) という人権運動が始まってから2ヶ月が経過しました。今もまだミネソタなどでは抗議活動が続いていて、それに対しトランプ大統領が軍を出動することを示唆して、抗議活動がまた反発して大きくなるとか。

人権運動とコロナウイルスの現状
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この運動は色々な人権運動へと拡大していて、ネイティブアメリカンの人たちも#ALL LIVES MATTERというハッシュタグをつけて運動に参加していました。

 

ネイティブアメリカンの歴史はこのブログでも長々と書いている通り。

歴史のまとめ
色々な年代を別々の記事にしたので、年代順にここにまとめておきます。 気になったときに一通り読むと流れが分かるかと思います!

 

この黒人人権運動でプロテストしている人たちを横目で見ながら、権利とか平等とかずっと言い続けてきたネイティブアメリカンの反応はというと。

「俺たちはずっとその戦いの中にいる」とか

「戦っても白人社会なのは絶対に変わらない」とか

「この機会にネイティブアメリカンの権利も見直してほしい」とか

そんな感じでした。

 

黒人人権運動はかなり日本でも取り上げられていたと思うのですが、その人権運動が派生して、歴史的な人物たちの銅像が倒されるという事件が多々起きていたのを知っていますか?

 

こちらはオハイオ州にある、コロンブス像が撤去されている様子。

そう、アメリカ大陸を発見したと言われているコロンブスの像が撤去されたんです。

 

ヨーロッパ側からみたら発見した!ですが、ネイティブアメリカンから見たら外人がやってきた!なので、この像に対するネイティブアメリカンの意思が撤去にはかなり影響していると思います。

コロンブスデーとインディジネスデー
今日はコロンブスデー。 このブログでは何回か書いていると思いますが、ネイティブアメリカンの人々はコロンブスデーを祝いません。 コロンブスデー コロンブスデーは1937年から祝日になっています。 政府関係、郵便局、銀行など公的...

コロンブスデーの祝日そのものがなくなるかもしれませんね。

 

この運動を見て私は個人的に、「そもそもアメリカという国は移民によって生まれているのだから、銅像を撤去したりすることは過去そのものを消そうとしているようで気持ちが悪い。」と思いました。

偶像として崇拝するような人に値しないという意味だとは思うのですが、どの国もそんな黒歴史は山ほどあって、その黒歴史自体はちゃんと後世にも伝えられなければいけないのになぁと思っています。

で、そんな侵略者の像なんてニューメキシコにはいっぱいありますし、侵略者が開拓した国立公園もたくさんあります。

 

アルカルドというサンタフェからさらに北にいった場所にある、スペイン人入植者、オニャーテ氏の銅像。Don Juan de Oñate という名前はニューメキシコ州の歴史問題では絶対に出てくるであろう人。

https://japanswlife.com/%e3%83%8d%e3%82%a4%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%96%e3%82%a2%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%81%a8%e3%82%a2%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2%e3%80%81%e5%89%8d%e7%b7%a8/

↑この記事に出てきます。

実際この人は天空都市と呼ばれる、アコマプエブロに侵略し、500人以上のアコマの人々が犠牲になり、さらに続く支配の中で、25歳以上の男性の左足をすべて切り落としたという残酷な歴史があります。

なのでこの銅像は以前から反発が多く、プエブロの人々が彼の銅像の足を切り落とし、また復旧工事をしたり、と問題が多い銅像でもありました。

 

サンタフェで撤去されたのがこちら。

Don Diego de Vargasというスペイン人議員の銅像。侵略した側である人たちが英雄化されること自体がすべてナンセンスだという風潮にどんどんなっています。

 

ネイティブ関連の名前やシンボルはとても扱いが大変

ワシントンレッドスキンという、アメフトのチームがありました。

つい先日このチームの名前が改名され、「ワシントンフットボールチーム」という名前になりました。

「レッドスキン」赤い肌というのはネイティブアメリカンのことを指すので、以前からネイティブアメリカンの人たちからの反発が多く、この人権運動の流れでついに改名されることとなりました。

 

ナバホ、ネイティブアメリカン、その他もろもろインディアン関連の名前、ロゴ、イラストなどは本当に厳しく管理されていて、とにかく他民族が使うことが許されないという風潮にあります。

これは、ネイティブアメリカン関連をビジネスにするには絶対に忘れてはいけないルールです。

カッコいいから店の名前は「ナバホ」ってつけようって勝手に名前を付けたりしたら、政府から訴えられてしまいます。ココペリをジュエリーにしたり、昔のインディアンジュエリーのデザインをそのまま使ったりしたものなら大変です。そこに悪気はなくても、権利の侵害というふうに取られてしまうこともあります。

以前コロラドにナバホジョセフ(仮)というジュエリーの店があったそうなのですが、白人オーナーだったため、その店の名前はコロラドジョセフに改名させられたそうです。

今の世界の風潮とは真逆で、ずっとそういう方法で独自の文化を守ってきたので、自分たちの文化は自分たちのカルチャーを知る人だけしか共有できないというルールは根強く残っています。

 

さらに今、問題となっているのがこのニューメキシコのジアと呼ばれるシンボル。

このブログを読んでいる人なら一回は何かしら買ったことがあるであろうこのニューメキシコ州の旗のデザインは、ziaと言って、もともとはジアプエブロが神聖なものとして扱ってきた太陽のシンボル。

20年以上も前からジアプエブロの人々は州を相手に、このシンボルは私たちのものだと主張し、州が使うことを反対しています。

人権運動の余波でこの問題も過熱気味で、このジアマークが使えなくなったとしたらニューメキシコ州はチリのマークになるとか。ネイティブアメリカンとの融合という感じだったこの旗がチリマークになったら、なんというか、メキシコ一色って感じですねー。

 

今後この人権運動はどうなっていくのか、まだまだコロナの真っただ中のアメリカはいろいろな方向に変化が進んでいます。

 

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