秋めいてきましたニューメキシコ州。この時期は昼間は25度、朝は10度と体温調節が困る季節で何を着たらいいか毎日よくわかりません。
有名になったらすごい?
さて今日は、永遠に解けなそうなこの疑問。
一般的には、
という風に捉えられることが多いです。
インディアンジュエリーを文語にしてみると「アメリカ先住民の宝飾品」ですから、今でもマニアックなニッチな世界。
情報が少ないマニアックな世界では、雑誌やネットで取り上げられる量そのものが認知度につながります。
そこでしか判断することができなかったから、認知されていればいるほど、すごいアーティストってことになっています。
と言うことは、「フットワークが軽くてメディアに出やすい人がすごい人」ってことになります。
インタビューをして欲しい答えを言ってくれる人が使われる、テレビの有名人なんかと同じでしょうか。。。
メディア嫌いも価値になる時代
深い深いリザベーションに住む人ほど、「公に出ることへの恐怖」があります。
「文化を盗まれてきた」という感覚があるというのは何回も書いていますが、そのために「写真を撮る」「共有する」ということは基本的にNG。
日本で名が知れている有名作家でも、「写真は撮られたくない」「生活は公にされたくない」という人がいるのはその理由。
私の夫も今では少し考えが変わってきましたが、未だに「技術をシェアする」「生活をさらす」「写真を撮られる」ということにとても敏感で、レストランで「子供たちがかわいいから」と言って無断で写真を撮った人に抗議に行くという事件が最近起こったばかり。
日本に行ったり、ソーシャルメディアに出ている人でもまだ、「昔から刷り込まれているとてもセンシティブな問題」です。
ではアーティストの話に戻り、「超伝統的なスタイルで作り続けている人」で、メディア嫌いな人はどうなるでしょうか。
メディアが嫌いという以前に、作り方が地味で果てしないから取り上げられずらい、物理的に会いに行きにくいという理由もあります。
マーケティングを考えていたりそれなりに有名になりたい欲がある人は、バランスをとって卸売りをしたりして自分の製作量と賃金を調整します。(そうやって計画的に仕事している人ってほとんどいませんが。)
でも「超伝統的なスタイルで1人でちょこちょこと作っている人で、小売しかやらない人」というのは、直接的なお客様やトレーダーしか知ることができず、圧倒的に露出量が少なくなります。
メディアが多いサンタフェに近く住み連絡が取りやすいアーティスト、何回か経験があり取り上げやすいアーティストというのは実はいつも決まっています。
運やマーケティングセンスもその人の才能だと思うので一概に否定はできませんし、露出量が多い理由は必ずあります。
でも、よく陥りがちな
という安易な判断じゃなくて、露出量に限らず自分の感覚を信じて!って言いたい。
ブランドや名前に流されるのは日本人だけじゃないけれど、モノが溢れるこの世の中、どれがいいかを見極めるのって本当に大変。
その中で埋もれた技術や作品を発掘していくのがバイヤーではあるけれど、単純に「露出が多ければすごい」で弾かれてしまう人が圧倒的に多いなぁと思うのです。
〇家に家畜がいるから、ショーに出られない。
〇メディスンマンから、メディア関係は出てはいけないと言われた。
〇物理的に遠いから撮影に来てもらえない。
〇スタイルがいつも同じだから、代わり映えがしなくて取り上げられない。
それが、インディアンジュエリーを作る人の大多数です。
まとめ
「あなたのすごいと思うアーティストって誰ですか?」とよく聞かれます。
毎日色々なアーティストと接している私のスタンスとしては、みんないい所があるし特に優越はつけたくないので、「個人的にはこの人が今好きかな。」って言う言い方をするのですが、それを言うと、「Yokoさんが言ったんだったらすごい人なんだ!」って過剰評価されてしまったり、逆に私もそれがあるから(個人的に今推したいから)「この人すごいですよ!」とか言っちゃったり。
そのものの金額に関わらず、お客様が迷ったときのアドバイスは「経験から本音を言う」というのは心がけていますが、要するに、私がこのブログでうだうだ書いていても、「結局決めるのはあなたの意志ですよ」っていうことです。
本末転倒な話になってしまいましたね(笑)
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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