誰がどういう風に作ったかを知ることが大事

Indian Jewelry

こんにちは。

学校の新年度開始まで1か月を切り、毎日学校から調査のメールが来ています。今のところうちはどっちにしてもオンラインの授業を受けるという選択をしています。

かなり悲惨な状況にあったNYは今段階的には2段階目の経済再開へと入りましたが、昨日は亡くなった人がゼロになったそうです。その反面フロリダ州ではNYの感染者数を超え、ニューメキシコ州の経済の中心アルバカーキでも新規感染者が連日200人を超えています。

アメリカ、全然収まらない。。。。

今日は久々に仕事終わりにスーパーに一人で寄ったのですが、最初は守られていたレーンでの一方通行を守っている人はほとんどいなくて、人数制限もしていない感じでなんだかドキドキしちゃって買い忘れたものもいっぱい。

ニュースで報道されているどの情報が正しくてどの情報が正しくないかなんてもうもはや分からないのですが、コロナに感染した場合男性は女性の2.4倍ひどくなる確率が高いとか。私がウイルスを家に持ち帰る訳にはいかないし、とにかく帰ってきたらいつもどこにも触らず速攻で服を着替え、顔を洗っています。

そんな状況ながらも今まで整理できていなかったいろいろなことをどんどん、ずんずんと推し進めることができていて、4月からのその努力の賜物で店の方ではオンライン買いで協力してくれる人たちがたくさんいて、毎日毎日夜な夜なしていた作業もひと段落し、さて次は何しようかという感じです。

今日は久々にジュエリーのことについて書きますね。

アイデンティティーが強い作家たち

皆さん、この動画見てくれました?

日本語字幕をつけて、今一度観てみてください。字幕打つのめちゃくちゃ大変だったから(笑)

彼の人柄を知らない人が見ると、どういう風に見えるのだろうか?と疑問に思いながらアップした動画。

一言で言うならば、「強い誇り!」って感じですよね。

海外に行って急に自分が「日本人であること」を意識して日本史を勉強しだした私とは違い、ネイティブアメリカンの人々は常に「○○族であること」を強く誇りに思っている人が多いです。

インディアンジュエリーはスペイン人から派生したものであるにしても、そこから彼らのカルチャーとして根付いたものであり、それぞれの部族の特徴的なインディアンジュエリーを作っている人というのは、「部族そのもののカルチャーを大切にしたうえで、そのうえで作ってます」というスタンス。

だから、他の国の人や白人さんが作るインディアンジュエリーっぽいものっていうのは全然違う!許せない!っていう人もとてもたくさんいます。

ファッションジュエリーとして出回っているイーグルフェザーのものとか、彼らからすると「偽物」になります。

※そこにはもちろん俺たちがもともとのデザインを作っているのに、同じデザインをパクって大金を稼いでるなんてっていう嫉妬もあります。

個人的には「ネイティブアメリカンが作るインディアンジュエリー」と「ネイティブアメリカン以外が作るインディアンジュエリー」は背景をひっくるめると全然別物だと思うのですが、そんなこと一般の人には関係ない。

例えば、私がジュエリー作家と称し売れているデザインを端からパクってブランドを作り売っていけばいいみたいなこと。

一般的に言うアーティストがいう「本物のインディアンジュエリー」は、ネイティブアメリカンであるアーティストが最後まで自分の手で仕上げたもの。

「名前だけスタンプして他人に作らせている」は一番の御法度で、そんなものが知れたらインディアンジュエリーの大手のショーを開催している人にすぐにタレコミが行くでしょう。

 

ネイティブアメリカンの文化としてジュエリーを作り、自分の手で作ることに一番の意味がある。

 

ではアイデンティティがない他の人はどうするか

次にこの動画を見てくださいね。上がったばっかりですよー。

彼は日本でも人気が上がりましたが、先に出たアーニーリスターみたいなスタイルを作る、白人さんです。血はクリーク族が1/4入っているので、ネイティブアメリカンアーティストというくくりに入ることができ、彼のジュエリーはインディアンジュエリーとして正式に売ることができます。

でも、彼の生い立ちは完全にネイティブアメリカンの文化や考古学が好きな白人さん。師匠も白人だし、彼の仲間のアーティストは白人さんが多い。

作り方は同じ超オールドスタイルだけど、彼には自分たちの伝統だからとかそういう背景がなく、ただ純粋に師匠からそれを教わって、その作り方をリスペクトしながら試行錯誤して作り続けているという人。

生粋なネイティブアメリカンジュエリー界の中心にはいない人で、生粋なネイティブアメリカンジュエリー界の重鎮からはあいつは偽物だと言われかねない人。

ジェシーの師匠であるババ、そして私の大好きなアーティストであるジョックフェーバー氏の二人は、もう歳にしたら巨匠の域に入る人たちだけど、彼らは白人だから知る人ぞ知るサウスウエストスタイルのジュエリーを作る人でしかない。

箱根で寄木細工を作り続けているフランス人の職人みたいな感じかな?

でもそのフランス人は周りの伝統工芸をやっている日本人よりも誰よりも勉強熱心で、他のフランス人仲間と情報を交換しながらモノづくりをしている、そんな感じ。

実際ジェシーの周りでは作家の仲間同士でものすごくいろいろ情報交換していて、それを見た生粋ナバホ族アーティストのダンナは衝撃を受けていました。

ネイティブアメリカンは、ジュエリーの作り方を絶対に教えない。家族でさえ、ほとんどの場合が見て覚えろか、よっぽど真剣になるまで教えることはない。

だからYoutubeチャンネルは奇跡だと思うのですが(笑)

 

ネイティブアメリカンだから、白人だからに限らず、興味本位で色々な人のものをコピーしただお金を稼ぐためにやっている人なのか、もっと深い信仰や意思があって作っている人なのか、だれがどうやって作ったものなのかを知ることが大事。

 

だから黙ってちゃ分からない。ってダンナに私がよく言われる言葉を、ダンナのジュエリーに対して私がよく言っています。

このワイヤーを手でねじったとか、はっきり言って素人が見たら全然分からないですよね。。。でもそういう細かいいろいろなこだわりがある人たちが今でも作り続けている。

 

ジェシーをこのYoutube動画の中に入れるかどうか実は結構悩んだのですが、こうやってインタビューしてみて改めて、よかった!ってちょっと涙腺緩むぐらい素敵な話になりましたー!

 

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