お金がもらえるとどうなるか

Native American

こんにちは。ダンナが知らぬ間にAmazonプライム会員になっていて、ここぞとばかりに映画と音楽を楽しんでいます。ダンナが頼むものは早く届くなぁと思っていたら、いつの間にかプライム会員になっていたなんて、早く教えて笑

社会問題の描写

そこで昨日見た映画がこれ。2017年の映画です。

今日はちょっとダークなお話になるかと。

映画『ウィンド・リバー』日本版予告編
本編は2017年8月4日に全米公開予定です。Movie Express Twitter公式アカウント
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この映画、ネイティブアメリカンの現実がすっごくよく表されています。

(以下少しネタバレもあるので注意。)

本当にこの映画そのものの事件がたくさん身近に起こっている。

トレーラーハウスに入っていくとみんながドラッグに溺れて銃の撃ち合いになるシーンがあるんですが、本当にこういうことが身近にあるんですね。

ただ映画の中の世界じゃなくてこれが真実なんだけど、やっぱりその中に入ってみないとそれが真実かどうかなんて分からない。

結局、ほとんどはドラッグとアルコールに関わってきます。

誰々の息子は薬物依存でどうしようもないらしいよとか、アルコール中毒で体を壊して20歳で死んじゃったとか、普通にそういう話を聞きます。そういう状態にあるとやはり死や事件とは毎日が紙一重の生活になるので、必然的に平均寿命も低くなります。

この映画には、ネイティブアメリカンの人たちの事件はめちゃくちゃ多いけど隠されていますよというメッセージが込められています。どこに行ったか分からなくなってしまう人の数は、ネイティブアメリカン以外の人種全体と比べると10倍というデータが2016年にありました。

めちゃくちゃグロいですが、犬が人骨をくわえてきたとか、あそこで死体が発見されたらしいとか、アンバーアラートと言って児童誘拐未遂の警告とか、日常にそういうニュースがあふれています。

そしてほとんどの場合、アルコールとドラッグが引き金になっています。

働かなくても生きていける

今、スペインではベーシックインカム導入とか、日本でも生活に最低限必要なお金を政府からもらうみたいな議論が世界的にも流行っていますよね。

生活に困らなければ、生活の為だけにお金を稼ぐことに縛られずもっと独自の考えで工夫しながらみんなが経済に貢献していける方法を考えていくだろうという観測。

今実際にはスペインのベーシックインカムはどっちかというと生活保護的な感じで、世界的にはまだ国民全員に生活費支給みたいな国はないようですが、このコロナ禍での様々な政府の援助で、お金の価値が変わった人もいるのではないかと思います。

 

ネイティブアメリカンは過去何十年も、働かなくても生きていけることが保証される中で生きています。

 

それは過去のブログでもちょこちょこ書いています。

お金というもの
先日のリザベーションとは何か⁉の記事で、なんとなく、「へぇ~そうなんだぁ」と思っていただけたら、それを踏まえてネイティブアメリカンにとってのお金というものについて考えてみました。(ちょっと重い記事が続いてすいません。それにしてもパンのレシピ...

土地と引き換えに渡された「政府からの援助の約束」で何もしなくても生きていけるという状況で、人間はどうなるか。ネイティブアメリカンの今を見て欲しい。

 

政府に頼らなければ生きていけない。

このコロナ禍で、もっとそういうネイティブアメリカンの人たちは増えています。

「政府に頼れない」状況であればもしかしたらもっと頑張れる人たちかもしれないけど、頑張る意味がないから頑張らない。

日本では生活保護をもらうとなると世間のイメージ、自分が怠惰だと思われるかもしれないなど色々と考える人が多いと思います。

でもネイティブアメリカンは程度は違えどみんな政府の援助を受けているから、イメージも何もない。ただで食料がもらえるらしいと聞けば人があふれ、その食料が気に入らないとゴミ箱へ捨てる。

もちろんそういう人だけではありませんが、無料で土地が与えられ、申請すれば無料で家を建ててもらうことができ、無料で子供たちのミルクをもらえて、最低限の食糧を買うカードが支給され、子供を産めば生むほど税金が戻ってくる。アルコールで体を壊して働けなくなったら政府からの保証が下りるし、その事実を知っていたらだれでも政府に頼って生きていくようになってしまいますよね。

じゃそういう人はどうやって現金をつくるかというと、食料を買うカードを誰かの現金と交換します。スーパーで、これ200ドル分あるから100ドルの現金と交換してくれない?とか言われることがあります。家族や友人で食料品が必要な人とカードを交換して、そのお金で自分の嗜好品を買うんですね。

お金は紙切れ

コロナで失業保険をもらっている人が、さらに週に600ドル追加で入ってくるようになったというのを聞いて、ダンナは「ただの紙切れだ」と言っていました。

政府が経済を回すためにただただその小切手をプリンターで印刷しただけ。

1人1200ドルのスティミュラスチェックも、ただの紙切れ。

この国が抱えた借金は、子供たちが返していかなきゃいけない。

最初はピンと来なかったけど理解した後にハッとしました。本当に一体お金って何だろうって思いますよね。

個人事業主も失業保険の申請はできるのですが、ダンナは申請を断固拒否。生きるのに困っているわけじゃないし、困ったらジュエリーを頑張って売ればいい。このお金はもっと必要な人が受け取るべきだと言っています。見直したぞ(笑)

村長をやっていると本当に信じられないほどのお願いがくるので、多分それを見ていて自分のあり方も変わったのかもしれません。いろいろなところからの寄付をひたすらさばき、配っている最中にこのマスクは安全なのかと問い詰められたり、違うブランドのお水はないかと聞かれたこともあるそうです。

私もこのコロナ禍での寄付の嵐に色々疑問がわいていたし、本当に心からこの人にはこれが必要だと分かる人だけに何かを分けることにしています。

失業保険がもらえ、食料がもらえ、マスクや消毒液が支給されている今、それでもまだ個人で生計を立ててすべて自分の手で生み出しながら頑張っている人たちを心の底から応援したい。そしてその人たちが報われる日が来ることを心から信じたい!

 

この社会問題は1800年代から続く長い長いものなので、政府に頼って生きる個人を責めることは本当に意味がない。個人の力で頑張ると楽しいよ、お金うんぬんよりももっとハッピーになれるよっていうことを知る人が多くなっていくしかないのかなぁ。

 

 

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