ナバホ族の動物に関する迷信7選

Native American

日本で、「秋茄子は嫁に食わすな」というような迷信(迷信といっても実際は根拠がちゃんとあるものもあり。)があります。そういった迷信と呼ばれるようなことがナバホ族にもたっくさんあります。今回は動物に関する迷信を紹介したいと思います。

※信仰率で表した数字は私の個人的な見解であって何の根拠もございません!

信仰率90% コヨーテが前を横切ったら、その道を通ってはいけない。

これはナバホ族の迷信、信じている率ナンバーワンといっても過言ではないのでは!?

ナバホ族の神話で、ペテン師として登場することになってしまったコヨーテ。創生者に、きれいに星を並べるようにと言われたにもかかわらず、星のいっぱい入った風呂敷を空にばらまいてバラバラにしてしまったのがコヨーテ。

そこから派生して、コヨーテは「不吉」とか「インチキ」とかのイメージがあるらしい。

野生のコヨーテがたくさんいるナバホリザベーション。しかし車で走行中、その道をコヨーテが横切ってしまった時、コヨーテが横切ったその後を横切って通過することはとてもとても不吉なことである。そんな時のナバホの人たちの選択。

 

①車を脇にとめ、コヨーテが横切ったその跡を誰かが先に横切るのを待つ。(コヨーテが通ったその部分を一番先に横切ると何か悪いことが起こると信じられている。)

②誰も通る気配がないとき、コヨーテが横切ったその場所にコーンミールをかけて、祈りをしながら浄化する。

コーンミールは、トウモロコシの花粉またはトウモロコシを擦った粉。日本で言えば「お清めの塩」と同じで伝統的なナバホ族の人々は車の中などにだいたい持参している。

③誰も通る気配がなく、コーンミールを持参していない場合、その道を引き返すしかない。

 

ポイントはただコヨーテを見たとか近くにいたとかではなく、「今から自分が行く道をコヨーテが横切った」というのが問題というところです。

信仰率85% フクロウは悪い知らせを運んでくる。

日本でも、アジア全体でもいいイメージしかないフクロウ。

しかしナバホ族の人々は、フクロウを見た後には必ず何か悪い出来事が起こる。と信じている。

私のナバホ族の母は、フクロウを見た2日後に甥っ子が交通事故にあったと年に一回は言う。その手の話もとても多い。なぜフクロウがマイナスイメージになったかは謎で、近隣のズニ族やホピ族にとってフクロウはいい動物として神話にも登場している。

信仰率80% 蛇は不吉な動物である。

ヘビは、世界中でいろいろなイメージがある動物ナンバーワンだと思う。ナバホ族にとってはまた違う。ナバホ族の神話に登場するヘビは、もともと足のある動物だったのだが悪さをして足を取られたというもの。キリスト教のアダムとイブの話も関わっているのかとも思うけれどそこは不明。

ウナギや、アナゴも「ヘビ」ととらえられるため、シーフードが食べられる人でもウナギはどうしてもだめという人も多い。

ちなみに、ニューメキシコ州、アリゾナ州には野生のガラガラヘビ(ラトルスネーク)が非常に多い。襲ってくる前にはこの尻尾のラトル(ガラガラ)で「シャー」という音を立てる。ガラガラヘビに襲われてしまうこともあるから、ヘビは不吉、ということもあるかもしれない。

信仰率100% 鷹と鷲は創生者とのメッセンジャーである。

イーグル(鷲)とホーク(鷹)。アメリカの国鳥にアメリカンイーグルが指定されているように、部族を問わずその権威はとても高い。ナバホ族に限らず、ネイティブアメリカンの人々は古くから鷲や鷹の羽を戦いの衣装やお守りとして使ってきた。大空を早く舞う大きな鷲と鷹は、天の創生者とのメッセンジャーであると信じられている。

儀式のときにタバコの煙に祈りを託し、イーグルフェザーを使い天へ仰ぐ、その祈りがイーグルの羽によって創生者まで届くと信じているからである。

車を運転しているときにイーグルを見かけるとする。それだけでいい知らせなのだそうだ。例えば浅草寺で煙を悪いところに浴びるように、イーグルからの気を自分の体に浴び、感謝をささげる。

信仰率80% クマの爪や毛皮は触ってはいけない

クマは力強さの象徴として、特にクマの爪はナバホ族のジュエリーにも多く使われている。しかし、力が非常に強いためにメディスンマンや特別なお祈りをしたひとでないと通常はクマに関するパーツに触れることは禁止されている。

 

信仰率90% ホーネットは兄弟である

日本ではなじみの薄いこのホーネット。Horned Lizardというらしいが、カタカナで言うと「ホーネトウ」という発音のこの動物は、ナバホ族の人々にとって兄弟にあたるそうだ。

テニスボールぐらいのサイズで、触ってみると結構柔らかくてとてもおとなしく、子供の頃は見つけるとペットにしていたというネイティブの人たちも多い。そこら中にいっぱいいるというわけでもなく、見つけたらとてもラッキーでかわいいのでとても愛されている。

信仰率50% 足のいっぱいある動物は、不吉である。

昆虫はまだいいけれども、特に海の中の動物というのは海が近くにないナバホ族にとってとても不思議で見慣れない、どっちかというと不吉で気持ちが悪いものである。

特に足がいっぱいあるイカやタコ。時にはエビやカニもNGの人たちもいるが、シーフードのおいしさには勝てなくてここはOKにしている人たちが半分ぐらい。でもまだ不気味、気持ちが悪い、と思っている人が半分ぐらい。

私のナバホ族の甥っ子の話。体調がすぐれないのでメディスンマンに診てもらってきたら、今すぐに海のものを食べるのをやめなさいと言われたそうだ。本来ナバホ族が口にするものではなく、それが悪さをしていると言われたという。メディスンマンに言われたらおいしさよりも我慢するしかないとそれから一切のシーフードをやめたそうだ。

 

まとめ それでも信じるか信じないかはあなた次第

これらのことは、ナバホ族に言い伝えや教育として伝えられている話。親族が都会育ちだったり、熱心なナバホ族信仰の人でなければ、上記のことが一切語られることはないナバホ族の人たちもたくさんいると思います。

また、話を知っていても自分は一切気にしないとコヨーテを横切った後をぶっちぎる人もいるし、またフクロウをかわいいという人もいます。

要は「秋茄子は嫁に食わすな」を信じるかどうか、と同じということです。

 

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