ナバホ式の赤ちゃんに関する習慣

Native American

 

ナバホの人々の文化は「これをやっちゃいけない、あっちにいっちゃいけない。」と禁止、制限してできている文化だと私の夫は自らのナバホの文化をそう分析することがよくあります。

本当に、そういう決まりみたいなものがたくさんあります。

例えば日本でも、「あっちの部屋に行くとお化けがでるぞー」とか言って子供をそっちの部屋へ行かせないように大人が仕向ける、、、みたいなことありますよね。

それと一緒。

多分昔はそういう行為を禁止する理由があったと思うんです。でも今ではなぜそう言われているのか、大勢の人がわからないけれど、とにかく「やっちゃダメと言われて育ってきているからダメな気がする。それを信じている。」という人が多数。

これは日本でもいーっぱいあると思います。

【関連記事】ナバホ族の動物に関する迷信

 

日本では、子供が生まれたらお七夜、お食い初め、お宮参りとたくさんの子供への願いや神様への祈りを込めたイベントがありまよね。

妊娠をして赤ちゃんを授かるというのはどこの国のどこの文化にとってもやはりとても神聖なもので特別なことです。

妊娠中の決まり

これ、いっぱいあります。

狩りをしてはいけない

ロープを結んではいけない

日食を見てはいけない(日食は、妊娠中だけではなくてナバホ族の人々みんなにとって不吉なものとされています。前回は皆既日食の日、学校に来なくてもいいですよとお知らせが来たぐらい。)

満月を見てはいけない

お葬式に参加してはいけない

動物の死体を見てはいけない

儀式に参加してはいけない

壊れたカチナや作りかけのものに触れてはいけない

(全部信じていて実行している人もいるし、全然気にしない人もいます。)

基本的には、死とか怪我とかそういうものからできるだけ遠ざけておきたいという願いからきているのだと思います。

 

私がつらかったのは、「満月を見てはいけない」と「壊れたカチナや作りかけのものに触れてはいけない」でした。

だって満月キレイだし、写真撮りたくなっちゃうけど目を背けなければいけない!そしてカチナは仕事で扱っているから触らざるを得ないのだけど、一応壊れたものだけは妊娠中は触りませんでした。。。

生まれてから

クレイドルボード

じゃん!衝撃的映像!?

ぐるぐる巻きで縛られててかわいそう。って言われそうだけど、これがナバホ族(おそらくナバホ族だけではなくて、スー族とか平原部族でも一般的)の赤ちゃんのスタイル。

 

「クレイドルボード」と呼ばれるこのボードは、本来はおじいちゃんが手作りするものだそうです。

どこへ行っても、一緒に連れていける、危険な時にすぐに連れていける、歴史的な戦いのときにも使われていたであろうクレイドルボードはまだナバホ族の子供たちを守り続けています。

頭の周りの木の部分は、「虹」を現しています

手足を固定することで、実は落ち着いてよく寝るのです。このボードが小さくなったということは、もうハイハイをして歩く準備ができるということ。

笑わせた人がパーティを開く

赤ちゃんが4か月から6か月ごろになると、「だれが声を出して笑わせるか」ということで親族や友人が盛り上がります。

「笑わせた人がパーティを開く」その赤ちゃんにとって大きな存在の人になります。

笑うということは、赤ちゃんのスピリットが宿ったということなのだそうです。

そのパーティでは「神聖なお塩」をバスケットに入れ、赤ちゃんの手を通して集まってくれた人に渡していきます。

↑このバスケットの中に、お塩が乗っています。

(ただの塩ではなく、ナチュラルなお塩。これはズニソルトです。)

 

(しかめっツラだし、巨大児だし。。。。)

お塩を渡されたら、それを食べて、それを食べることで受け取った側も祝福を受けるのだそうです。

赤ちゃんがそこにいる人々と関係を持ちこれから生きていくという初めての儀式、「Laughing Party」と呼ばれます。

だからうかつに赤ちゃんを初めて笑わせたりしたら、自分が大変な目にあうこともありますよ(笑)

 

これらは儀式と呼ぶものではなく、信仰や宗教にかかわらず大勢の人が行う、お食い初めやお七夜のように習慣のようなものです。地域によって細かい内容は異なることがあると思います。

ちなみに、一応お食い初めもやっております。(日本食っぽいものって思ってとりあえずお魚。。。いいんです、子供のためを思ってやることに意味がある!しかしガン見してますね。)

 

 

 

コメント