こんにちは。
セミナーにご参加していただいた皆様、ありがとうございました!
今回はお店からの配信で少し雰囲気も違い、さらにパソコンを新調したので映りも前よりちゃんとしてたと思います笑
次回はどうしようか、、、ジュエリー即売会みたいなのも楽しそうですよね。
さて、ずっとちゃんとしたブログを書いていませんでしたがようやく書く気になりました!あれもこれも書きたいなと思っていながら全く記事にしていなかったので少しずつアップしていきますね。
ジュエリーショーの仕組み
「数々のショーで受賞歴がある作家です」とかよくインディアンジュエリー界では耳にすると思うのですが、なんかすごそう!っていう感じで実際それにどれだけの意味があるのかよく分からないですよね?私も仕事ブログの方にはよくサラッと〇〇さん一位受賞!とか書くのですが、果たしてそれってどんな仕組で賞が与えられているのか、初めてインディアンジュエリー審査員の経験をした実体験を書き記しておこうと思います。
ネイティブアメリカンアートのショー(展示会)というのは結構たくさんあります。一番知られているものがサンタフェのインディアンマーケット、次にフェニックスのハードミュージアムショーですが、それ以外にも美術館が独自にやっているもの、地域のロデオイベントに合わせて行われるもの、州のお祭りなど様々な場所で様々なアートショーが行われます。
アートショーの規模や存在が大きければ大きいほど、「受賞」の存在は大きいわけです。
私が審査員を担当したのは、地域のお祭り、Gallup Ceremonialというロデオやパウワウなどが集まる総合イベントのアートイベント内。なんというか、ちょっと大きめの夏祭りって感じです。
そこにジュエリーやカチナ、ペイティングをする人たちが作品を応募して「どの作品を入選させるか」を決めるのが審査員の仕事です。
私が審査したイベントは規模的にはあまり大きくないですが、ネイティブアメリカンアーティストがたくさん集まる街、ギャラップなのでそれなりにたくさんの作品が応募されます。
審査の仕方
イベントによって様々な審査の仕方がありますが、通常応募するときに「応募するカテゴリー」が分かれています。
ジュエリーであれば、作風(インレイ、スタンプワーク、ヒシなど)、さらにその中でアイテム(リング、バングル、バックルなど)と別れているので、カテゴリーはジュエリーの中でも何十個とあります。その一つ一つのカテゴリーに対して、応募された作品の中からどれを入選させるかを決めます。写真は、受賞作品を審査している真っ最中。(勝手に正方形に加工されて伸びててすみません)
こんな風に、カテゴリーの番号の箱に応募作品が入っていて、その箱の中の作品を一つ一つみながら審査していきます。
使われている素材、技術はもちろんですが、このショーをまとめる人に「この人に受賞させる意味」を加味してくださいと実は言われました。
今まで受賞したことがないであろう若手アーティストと他のショーでたくさんの受賞リボンをもらっているアーティスト。この地元のアートショーは「真剣なジュエリー審査をする場」というよりも、「受賞の機会を与える場」というのもプラスしてどの作品にリボンをあげるか決めていくのです。
さすが地元の老舗トレーディングポストの長たちが集まる場、アーティストを有名にするという意味も込められているんだなーと感心しながら一つ一つ意見を言い合い決めていきました。
カテゴリーの受賞を決めた後には、カテゴリーの上のクラスの受賞作品を決めます。
全てのリングの中での受賞作品、全てのバックルの中での受賞作品など。
そして最終的に総合一位を決め、それが終わったら審査員たちのプレゼン大会に入ります。
カチナ、ペイティング、ジュエリーなどのクラスの中で一位として選んだ作品を、その審査員の代表が「どうしてこの作品を一位にしたか」というプレゼンを審査員全員の中でしていきます。
ちなみに、ジュエリーはコンテンポラリー部門とトラディショナル部門に別れていて、このプレゼンはコンテンポラリー部門のプレゼン風景。(審査員はそれぞれのクラスに3人でした。)
なので、勝ち上がっていく作品にはカテゴリーのリボン、クラスのリボンが数個、ショー全体のリボンと上がれば上がるだけリボンがたくさんついていく仕組みです。
賞の持つ意味
こちらがトラディショナルジュエリー部門で最終的に残った二つ。この二つのどちらかを選ぶという究極の選択でかなり我々3人は苦戦しましたが、最終的に右側のバックルを選びました。
左側のアーティストは有名なショーに多数出ていてたくさんの受賞歴がありますが、右側のアーティストはほとんどショーには出店することがないアーティストです。
プレゼンするときにはやはり、大きくてインパクトのあるものが目立ちますし、「おーすごい」ってなります。なので私たちが選んだバックルは技術はものすごいのですが、目立ちにくい。
「ショーに応募する作品にとんでもなく大きいものが多い」のはこれが理由です。
受賞作品はすごいんだけど、とても手が出る値段じゃなくて、とても普通につけられる物じゃない。パリコレで歩いているすごいブランドの衣装みたいな感じでしょうか。
とにかくとてもとても学びのある審査員経験でした。
アーティストにもリボンをとるアドバイスがしてあげられそうだなと思い、大きな責任感も感じ、アートショーの裏側を見せていただける良い機会をいただけて感謝。私自身商品を仕入れる時結構感情が先行してしまうこともあるのですが、大物トレーダーさんにもそういった感情があるということでふと安心したりしました。
朝8時から始めて全てが終わったのは夕方6時。さっと終わるだろうなんて思っていた私が間違っていました笑
結果的に、こんな風にしてそれぞれのクラスで受賞した作品がショーケースにディスプレイされていました!
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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