ジュエリービジネスの行方

Indian Jewelry

こんにちは!

経済再開ムード一色になってきているアメリカ。来週から、アポイント制かつ稼働率25%以下でほとんどの実店舗が再開されていきます。

ステイホームの主張が強かった先週の雰囲気が嘘のようで、感染拡大のリスクがまだある地域にいる私は何とも言えない、なんとなく気持ちがついていかないようなそんな気分。ギャラップは州の規制とは少し遅れて再開されていくと思うので、実質的に店舗が開いていくのはオーナーの意志によりますが二週間後ぐらいではないかという感じ。銀行等もギャラップの店舗はまだ開かず現状維持のところが多く、ジュエリー関係は特に不特定多数を相手にするので、6月いっぱいはアポイント制が続くと思われます。

そんな中、あらためてインディアンジュエリーに絡む人たちの行方を少し考えてみました。

買い付けビジネスの今後

人が移動することが制限された今、「買い付けて売る」を生業としている人がとても厳しい状況にあります。私もその「買い付けて売る人」なので、存在意義みたいなものをこのコロナショックでめちゃくちゃ考えさせられています。

特に一点物の買い付けは「現地で自分が見て集めてくる」からお客様に売れる。個人で店を営んでいる人たちはほとんどが今立ち往生せざるを得なくなっています。

現地に行くことができず、買い付けができない。グローバル化の弊害とかなんとかってやつです。

買い付けをして売るという仕入れの形態が、どんどん変わっていくだろうなと思います。

現地仕入れをやめて国内仕入れにするか。

生産者からの直接仕入れにするか。

作り手とのやり取りが現地にいても難しい時があるネイティブアメリカンの人たちとの直接仕入れはなかなかハードルが高いので、どちらにしてもインディアンジュエリーの仕入れが難しくなることは間違いありません。

ある程度の淘汰は起こると思いますが、市場が衰退するのは避けたいのは日本の市場もアメリカの市場も同じで、形態を変えながら生き残っていかなければなりません。

それぞれの店がSNSでライブ配信をして、今ある在庫をなんとか売ってキャッシュを作らなきゃと必死です。芸能人だってライブ配信するのが当たり前の今、感度の高いインディアンジュエリーアーティストだってライブ配信をします。

自分で作品を売れる力のあるアーティストの作品を店として売る。今までは自分で作品を売る力が弱いから、店の名前で作品を売ってもらっていたんですね。

ミュージックレーベルや、芸能事務所や、セレクトショップも同じく、生み出す人と消費者をつなぐ私のような仲介人の意味が本当に問われてきています。

ただものを右から左へ流す人は、すごい勢いでいなくなる。じゃあ仲介人の存在意義ってどうなるんでしょう??

質屋と仲介が存在する意味
SNSの普及で個人同士が簡単に繋がれるようになって、世界はどんどん狭くなっています。 ちょっと遊びにニューメキシコ州に来てみる人が増え、このブログはそのニッチな層を結構洗脳しているようです(笑) いつも読んでもらってありがとうございま...

 

それでもやっぱり「要望に応えられる」、「信用できる」作り手や店というのはインディアンジュエリーの中では限られているので、アーティストを支え続けていくためにも今オンラインをこの二か月めちゃくちゃ強化しています。

YouTubeは何の実にも今はなってないですが、コロナの前に始めておいて本当によかった!

作り手の今後

さて私のダンナは作り手側なので、このコロナで仲介人の私とは全く別の風が吹きました。

ここはかなり目からうろこの変化で、書くべきかどうか迷ったぐらい。

 

「作り手から直接買ってあげたい!」という人がとても増えました。

もちろんそれを見越してウェブサイトの強化やSNSをがんばっていたというのが前提ですが、トレーダーとして利益を得る立場の私としては、それを目の当たりにして現状にようやく目が覚めたって感じでした。

すべてアメリカ国内の、会ったことのないフォロワーさんたちです。

お客様の中には「この店でこのリングを買いたいと思っていたんだけど、あなたに直接オーダーするのとどっちが利益になる?」と聞いてきた人もいます。

確かにナバホネーションにコロナ直撃!って知った時に、誰かに何かをしてあげたい、できるだけちゃんと使われる方法で寄付をしたいって思いますよね、それと同じことかな、と。

トレーダーとは反比例して、公に出ている作り手は忙しくなった人も多いんですね。

作り手としては定期的にある程度の注文を入れてくれる仲介人からの注文がなくなったので、利益としては増えてはいないかもしれません。

そしてインディアンジュエリーの作り手はほとんどが公のSNSにまだ出ていなかったり、信用性が低めというのも現状ですので、この変化が起こったのは本当に一部の作家に限ると思います。

頭をやわらかく

頭がやわらかいインディアンジュエリー作家は、もうすでにお客様に直接作品を作っています。

D to C(直接消費者へ)ってやつ?いやもうもはや、A(Artist)to C( Consumer)です。

これはもう何年も前から見えていたことで、同業者同士でもたくさん同じ話をしてきています。

YouTubeでめちゃくちゃうまいピアノを演奏して稼いでいる人だってそうだし、 古布リメイクをしてインスタで商品を売る主婦だって同じ。

私は旦那のD to Cを進めている一方で、まだ A to B to B to Cみたいな仕事もしています。

インディアンジュエリー界では、その “to” の部分ができる人が仲介人やトレーダーで、まだ結構その”to”の部分ができない人が多いし、その部分ができないから世に出ない作品とかもたくさんあるからです。

たくさんの作家を扱うからこそ見える素晴らしさもあるし、ここに来ればたくさんのジュエリーを見られるという満足感もあるかもしれません。

これからの仲介人のスタイルを、もう少し具体的な目標や人と違うビジョンみたいなものをもって変えていかないとなーーーともっともっと考えさせられる今。

でもこうやってピンチが訪れたからこそ早くに気づけてよかったなとも思う今なのでした。

 

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