私の目的って何だろうという話

Indian Jewelry

初めて駐在として渡米したときからもうすぐ11年目になります。

去年このブログを始めて、思った以上に読んでくださる人が多くなり、気づいたら色々な人にブログ読んでますって連絡してもらえるようになりました。こんなマニアックな記事書いてる人いないですからね(笑)

ネイティブアメリカンをあきらめない

たいそうな見出し付けちゃった!

私が本当にやりたいことって何だろうか・・・ってよく考えます。生き方、仕事、すべてに関して。みんな日常的に思っていることだと思いますが、なんだかそういう目的みたいなのをはっきりしたほうがいいんじゃないかって思う最近。

夫はネイティブアメリカンで、ネイティブアメリカンの首都と言われるギャラップでインディアンジュエリーを扱う店で働き、インディアンジュエリーの道具を売る店を管理し、子育てをする。

 

そういう生活の中で、ネイティブアメリカンの人々自身が、自分たちの発展とか向上を諦めているという場面に何回も遭遇してきました。

 

突然メディスンマンに告げられて一週間キヴァに籠らなければならなくなった。

今年は儀式で重要な役割を担うからいつ仕事ができるかわからない。

息子がアルコール中毒だから、まともに仕事が出来ない。

月曜日から金曜日まで、9時から5時までの仕事を務めることさえ難しいネイティブアメリカンの人々は本当にたくさんいます。

 

お金の価値観が違うというのはもちろんだけど、「一般的に成功した人」という括りにある、「お金をたくさん持っている」とか、「大企業でエリートになる」とかそういう測りで見ると、私の周りのネイティブアメリカンの人々はその括りには一生入ることができない人がほとんど。

政府からお金がもらえるからそれに甘んじてしまう。

支払いが来たら慌てて働きだす。

通常の常識に当てはめると、「ダメ人間」とでも言われかねない生活をしている人がほとんどです。

そしてリザベーションに住む多くのネイティブアメリカンの人々自身が、それをちゃんと分かっている。

 

伝統的な儀式を重んじて、普通の仕事ができないから政府からの援助が頼みの綱。

はなから常識的な「成功」というものを諦めている、というかその金銭的な成功に価値を見出していない。(みんな頑張っていないんだし、頑張っても頑張らなくても同じでしょって言うよくあるダメ社員の集まり的な感じ。)

その中で頑張って少しでも周りと違う収入を得始めると、嫉妬されて、出る杭は打たれる的な仕打ちに合うこともあります。

頑張っている人いるし、そんなの自分の気持ち次第だけど、世間的なネイティブアメリカンの評価というものがやはりどうしても上がらないのはそこなんですよね。

 

「どうせ僕たちは・・・・。」的な考えが少し変わって、少し希望を持つ。そういう人を増やすことに私の存在価値があるような気がします。

そのツールとしてのインディアンジュエリー

その日暮らしをしていたナバホ族の人のジュエリーが、日本に送られた。

その事に誇りをもって、彼にとって少しだけ生きる希望になる。

日本で作品の人気が出て、初めてパスポートをとって日本に行き、外国の生活を垣間見る。

トレーダーの人たちに一目おいてもらえるようになる。

家族に自分の仕事を誇りに思って継いでもらおうと思えるようになる。

 

アメリカ人でも、日本人でも、ネイティブアメリカンでも、誰かに認められたいという気持ちは万国共通。

それは経済力であるかもしれないし、知名度かもしれない。

 

主要な産業であるインディアンジュエリーやクラフトをツールとして使って、それを売ったり彼らの作り方を紹介したり、お客さんの反応をシェアすることで、彼らの存在意義をもっとつける。

 

先日の質屋の話にもかぶってきますが、現地でジュエリーを買って売るということはそこに意味があるような気がします。

インディアンジュエリーというものがファッショナブルでカッコいいと言える人がもっと増えれば、それを作る人のステイタスが上がって、作る人が増えます。

 

古くからインディアンジュエリーが好きな人は、インディアンジュエリーがファッション化していくのを悲しがる人もいます。流行があると廃りがありますから、一時的な流行りものになってほしくないという意味での悲しみです。

でも市場が大きくなることはとてもいいことです!

だからもっといいものを、もっと売る

 

夫がコミュニティーの代表をしているのもあり、お互いに「こうしたらもっといいのにね」っていう壮大なビジョンみたいなものを話すときが結構あります。夫は本当に夢見る人で、現実的な私とは対照的です(笑)

ネイティブアメリカンの人々の力って有効に使ったらもっともっと大きいものになると思うのだけど、途上国と同じでいろいろと制度が整ってなかったり、新しい考えは排除されがちで打たれのめされてしまいます。

 

ナバホ語は今や絶滅の危機。ナバホラグなどの織物を織る人も、高齢化。ジュエリーも10年後はどうなっているか分かりません。

インディアンジュエリーの深刻な問題
今日は親知らずを抜くのに半身麻酔の手術をしました。(変な方向に生えてきてしまったので普通の方法では抜けなかったみたいです。酸素に点滴、心電図までつけられて恐ろしかったですが、手術自体は20分ぐらいで終了。何をやるにも体が資本です!...

絶滅危惧種は守られるのに、伝統工芸は仕事として成り立たないと自然と消えてしまいます。そんなこんなで世界の伝統工芸品をトレードするマライカってやっぱりすごいなとか思ったり。

 

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