ネイティブアメリカンのいろいろな家族ノカタチ

Native American

結婚をする意味とは

ネイティブアメリカンの結婚の概念や儀式は部族によって大きく異なり、一般化するのは難しいところです。

工業化以前のアメリカでは、両親は通常、思春期に達した直後(12〜15歳)に数歳の男性と女性の結婚を手配したという記事があります。

2018年の国勢調査局の報告によると、アメリカインディアンの39%が家族として婚姻届を出し公的な結婚をしています。
 (それに対しアメリカ全体の婚姻率は、55.7%とネイティブアメリカンに比べ高いです。)
その理由は、
もともと「公的な婚姻」というところにこだわる人が少ないから。

(内縁関係で公的書類を出さずに一緒にいる人たちも多いということです。)

契りを結ぶという意味での結婚というのは昔から行われています。

ネイティブアメリカンの結婚の伝統は、正式な儀式が行われていないことから何日も続く詳細なことまで様々です。

結婚式の例)

アルゴンキンの結婚式は主に屋外で行われ、スポンサー(新郎新婦によって選ばれた年上の、尊敬される人)、そしてカップルが彼らの創造主に対する彼らの献身とその誓約を守ることの重要性を認識していることを確認します。その後、お祝いのお祝いやフライパン、鹿、豆、とうもろこし、新鮮な果物、そしておそらくウエディングケーキのごちそうがふるまわれます。新郎新婦は出席するそれぞれの人に贈り物をします。

デラウェア州先住民は伝統的に、少女が思春期に達したとき結婚を手配し、その機会は少女の両親への宝石類や毛布の交換によって特徴付けられました。天候に応じて、花嫁は鹿の皮のスカートとシェルのネックレス、または鹿のレギンスと七面鳥の羽のローブを着用することになります。

ナバホ族はホーガンの中で、メディスンマンと共に祈りを捧げ、ウェディングベースと呼ばれるポットで手を浄化し、その後バスケットに入れられたコーンミール(トウモロコシのペースト)を食べるという儀式があります。

↓これは現代の伝統的なナバホ族の結婚式の。新郎新婦の手を清潔にするために使用される水差しを見ることができます 。(伝統的に精神、心と体の浄化を表す伝統です。)

 

離婚、未婚の母が多い

アメリカインディアン/アラスカ先住民族の人口の約39%が現在結婚していて、ではその反面

同じ割合が結婚したことがなく、約13%が離婚しています。

そしてネイティブアメリカンの半数以上(56%)が他の人種や民族の出身者と結婚しています。

さらに母親または父親がいないネイティブアメリカンの家族の割合は、一般の人口の2倍です。

↑これはアメリカ全体の離婚率。(下がってますね。)

 

そしてアメリカ先住民の出産の割合が高いのは未婚の母親であるというデータがあります。(米国全体の33.2%に対し、58.4%)

 

↓この記事で中絶についての意見を書きましたが、これも理由の一つ。

アメリカの中絶禁止デモのニュース
トップニュースは中絶禁止デモ 米国内の各地で人工妊娠中絶を禁止する州法の成立が相次いでいることに対し、本日21日に全米50州のほぼすべてで一斉に抗議デモが実施されています。 事の流れ、まとめ 以下CNNより。 アラバ...

 

結果、

シングルマザーの家庭
祖母や親族など肉親以外によって形成される家族。
内縁の親と一緒に暮らす家族。
ステップファミリーと呼ばれる連れ子の家族。

など本当にたくさんの家族のカタチというものができてきます。

 

日本でも増えてきていますが、ネイティブアメリカンの家族のカタチは本当に多様です。

 

「肉親」と「育ての親」が違うという場合が多くあります。

 

まとめ

ネイティブアメリカンの世界では、日本でいう、いわゆる一姫二太郎で両親のような「家庭」の典型的なイメージが元々ありません。

60年代以前に生まれた人たちでも、片親であったりステップファミリーと一緒に育ってきた人々がたくさんいます。

だから逆にそういう環境が身近です。

「異父兄弟だけどブラザーと呼び合う。お父さんと呼ぶ人がたくさんいる。」

 

ネイティブアメリカンとして血のつながりはもちろん大切にするけれど、その周りにいる人と「心や環境のつながりで」付き合い、人を大事にします。

 

「ネイティブアメリカンを父とする○○、とかチーフに家族として迎えられた誰々。」

とかいう文面を目にしませんか?

 

関係が近くなれば、シスター、ブラザー、と呼んでその関係を明確にします。血がつながっているかどうかとは別の世界のシスター、ブラザーです。

 

ステップファミリーや片親というのは日本ではとてもマイナスのイメージでとらえられがちですが、ネイティブアメリカンの世界を知ると、すべては自分の考え次第だと改めて思えます。

 

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