ネイティブアメリカンと依存症

Native American

こんにちは、今日はちょうどタイムリーな話題⁉

ネイティブアメリカンと検索して、必ず出てくる言葉「アルコール、ドラッグ依存」

アル中が多い

ドラッグ依存が多い

ネイティブアメリカンと検索して出てくるぐらいなんだから、人数は多いとは思うけれど、実際どういう感じなの⁉って思いますよね。

たぶん皆さんが思っている以上に、日常的な社会問題です。

でもあまりにも「日常的」だから、いい意味でも悪い意味でも、「もう生活の一部」という感じです。そのいい意味、悪い意味の日常感を今日は書いてみたいと思います。

昼間から怪しい人がウロウロしてる

一概には言えないけれど、田舎町の平日で昼間にウロウロしている一人、二人組でリュックを背負っている人というのは、その依存症にあたる人が多いと思います。

色々なところをウロウロして、「小銭ない⁉」とか急に声をかけられます。これは毎日のこと。

いちいち怖がってたら生きていけない、それぐらい日常の出来事なので「Sorry.」と言って切り抜けます。(でも結構小銭やドルをあげる人も多いので、これはあなた次第です。)

 

一般の人には危害を加えることはめったにないですが、怪しい人がいたらすぐに店も人々も警察に通報するというシステムがちゃんと出来上がっているので、そこはとてもいい所。

怪しい人はすぐに店を追い出されますし、すぐにサービスをお断りされます。

飲酒運転 DWI

アメリカは飲酒運転の罰則が厳しいことで有名ですよね。それでもなくならないDWI。

「週末は気をつけろ」とよく夫に言われます。それは飲酒運転がとても多いから

「飲酒運転が多い道路」というのは事故が多いので、周囲の人に聞くとすぐに分かります。その道路は夜はなるべく、週末もなるべく避ける。

怪しい運転をしている車がいたら、そこからすぐに離れる。

そういう危険察知能力が長けてきます。

「リザベーションの中では飲酒禁止」ということを聞いたことがある人もいるかと思います。

でも事実、それで捕まった人というのは聞いたことがありません。

(これはナバホネーションのプレジデントの娘がDWIで何回も捕まっているぐらいです。)

※ちなみに運転中の車の中で、助手席でも後部座席に居ても、お酒の缶を開けてはいけません。それが警察に見つかったら逮捕されちゃいます。

リザベーションは缶と瓶だらけ

毎日毎日、新しいごみがリザベーションにポイ捨てされています。これもかなり大きな社会問題です。(これはネイティブアメリカンに限らず、ポイ捨て文化はアメリカ全体だと思います。)

その中でも、アルコールのビンや缶、箱の多いこと。

ある日、夫がこんな質問をしてきました。

夫「研究者は昔アナサジ族がここに居たっていうのを、彼らの壺の破片とかの遺跡を見つけて証明するでしょ? そしたら100年後、ここにナバホ族が住んでたって何が証明すると思う⁉」
わたし「・・・何⁉ シルバーの破片とか⁉」
夫「ビールの缶とウィスキーのビン!!!
わたし「・・・・・・・・オーマイガー。。。。」

100年後、遺跡として発掘されるであろう缶と瓶 (笑)

 

それで面白いのが、缶ってリサイクルに出すとほんの少しお金がもらえるんですね。

だから、月末になってお金が無くなった人たちが、歩き回って缶を拾っているという光景をよく見ます。(きっと自分でポイ捨てした缶もあるんだろうなぁ。)

ヤバい人には近づかない

お店で売っているちゃんとしたものを飲んでいる、以上に、ヤバい中毒の人がいます。

ようするにもっと安く、ハイになれるもの。

(炭酸にヘアスプレーを入れるとか、リステリンを飲むとか、痛み止めの中毒とか。)

オピオイド中毒というのはアメリカでは社会問題で、痛み止め系は処方箋でもかなり厳しく管理されています。

田舎町では、何となく、身なりや時間帯、環境でヤバい人かどうかっていうのがすぐに分かります。

だからそういう人には近づかない、そういうところには寄り付かない。

そういうのが習慣になって、対処の仕方をちゃんと考えておくことで怖さとかは無くなります。というかそれ以上に本当にこういう人たちを見ることが本当に毎日の身近な環境なんです。

なぜこんなに多いのか

単純な回答をするとすれば、

仕事をしなくても生きていける→毎日特にやることがない→アルコールやドラッグに頼り、依存する。

という理由があるようです。

これはお金の話でも書きましたね。

お金というもの
先日のリザベーションとは何か⁉の記事で、なんとなく、「へぇ~そうなんだぁ」と思っていただけたら、それを踏まえてネイティブアメリカンにとってのお金というものについて考えてみました。(ちょっと重い記事が続いてすいません。それにしてもパンのレシピ...

 

アルコールについては、「民族的な免疫がない」ということもよく言われます。ウィスキーや日本酒、ウォッカやテキーラなど昔から作られているアルコールというものがネイティブアメリカンの間ではないので、DNAの中にアルコールを分解する細胞が少ないとか。

ここら辺は私は詳しく分かりませんが、大脳へ行き、小脳へ行き、とかそういう過程で、他の民族よりも早い段階で「理性を吹っ飛ばしてしまう」そうです。

まとめ

ネイティブアメリカンにとって依存症は切っても切れない関係にあり、大きな社会問題です。ドラッグよりもやはりアルコールの問題はとてもとても身近。

私の周りにもたくさんいます。というかたくさんの知り合いの中、適度にお酒を飲めるネイティブアメリカンの人を、私は一人しか知りません。本当にその程度の問題なのです。

お酒を飲むというのは日本人の飲みにケーションの感覚とは正反対のところにあります。

「お酒を飲む」というだけで、=アル中という分類をされることもあり、お酒を飲まない、または辞めている人から白い目で見られることがあります。

それは「適度に飲む」ということができない体質にある人が多いから。

「お酒を強要しない」はもちろんのこと、「お酒をやめている人なのか、飲まない人なのか、この人の前で自分が飲んでいいのか」というのも気にするのがマナー。

でも身近な問題だからこそ、怖いとかやばいとかそういう域を超えて、じゃあどうやったら嫌悪感を抱かない程度に生活できるかを考える。
依存症は、本人の意思の問題といわれがちですが、ここまで身近で社会問題となっているとその一言では本当に片づけられないものだと実感します。歴史がそうさせた、文化のせい、本人の意思の問題、とてもとても複雑。。。
回復して、ずっと長く頑張っている人もいればまた戻ってしまう人もいるので、人をそこだけで白黒つけることがないのはネイティブアメリカンの人々の文化なのかなとも思います。
でも、ネイティブアメリカンの人々の平均寿命が短いことは、この依存症問題がかなりかかわっていることも事実。
これらは日本語であまり語られることのない話ですが、マイナスイメージを伝えたいのではなく、「それほどに身近な問題であるという事実」ということが少しでも伝わるといいなと思いました。
旅行中そういう人を見かけても、「嫌悪感」を抱くのではなく、「そうそう、社会問題って言ってたな」って思ってくださいね。
壮大なニューメキシコ、アリゾナの景色は彼らにとっても「神聖なものであり、壮大なもの」ですから。

 

コメント