いきなりですが、ナバホ族の人たちは普通の洋服を着ます。
(以前の参考記事↓)
そして日本人と同じように、卒業式、結婚式などの正装が必要なイベントでは正装をします。今回は、その正装についてまとめてみました。
何回も言うけど、こんな感じではありませんよ。(これはパウワウと呼ばれる歌と踊りを競うためのイベントの衣装)
女性はベルベットかラグのドレス
これは娘の卒園式。
ベルベットのドレスはナバホ族の正装としてよく用いられます。1800年代後半から伝統的にベルベットの衣装が着られていたようですよ。現在はベルベットは材料費も高いので、オーダーメイド以外はフィリピンやインドなどの海外製のものが多いです。
本当は、左のナバホラグのドレスの方が本当のハンドメイドでナバホらしくて伝統的。でも、親族がラグを作っているという以外、買おうとすると大体$250以上して高いので、高校の卒業式に思い切って親族が買ってあげる以外はあまり持っていない人が多いかもしれないです。(ナバホラグは作り方が通常の織物と違い時間がかかるのでどれも値段が基本高いです。)
ポリエステルのドレスもあります。
上下同じ色で着たり、違う色で来たりしますが、こういう形のスカートが正装としては一般的です。ベルベット、コットン、花柄などなど色々な素材と柄のものが売っています。
結婚式などに参加するために一着作って持っている人が多いですが、一着も持っていない、という人もいます。(日本で言えば、冠婚葬祭のスーツを持っているかいないか、みたいな感じでしょうか、その人の職業や年齢などによります。)
サッシュベルトとコンチョベルト
ベルトには、「サッシュベルト」と呼ばれる手織りのラグベルトをするのが一般的。
こちらはズニ族やホピ族の儀式で男性にも使われるアイテムです。
その上に、コンチョベルトを着けます。
モカシン
女性のモカシンは、このひざ下までくるものが一般的。(でもこれも300ドルとかで、高いです。)
着物とのウエスト部分にタオルを入れたりするのと同じで、モカシンもふくらはぎを太く見せるためにタオルを入れて履くことがあります。(太いほうがいいらしいです。)
5センチぐらいの鹿の革をぐるぐるとひたすら足に巻き付けていって完成します。
ジュエリー
欠かせないのはなんといってもジュエリーです。
大きなスクオッシュブロッサム、ブレスレット(両手に同じ形を着けるのが伝統的)、ピアス、ピン。基本的にクラスターの形のターコイズやサンゴがいっぱい入ったものが多いです。
以前の参考記事
この記事でも書いたように、本物のインディアンジュエリーは高いので、ネイティブアメリカンの人たちでも、この「本物」の基準ではなく、プラスチックやニッケルの、それらしいファッションジュエリーをつける人たちはとても多いです。
メンズはカウボーイ系
男性のベルベットの衣装もありますが、結婚式や卒業式の際は男性はカウボーイ系の正装がほとんどですね。(儀式を主催する側やダンサーとして参加するときは、衣装としてベルベットのシャツなどを着ることが多いです。)
通常の正装は儀式の衣装とは違う
ネイティブアメリカンと言えば、「シャーマン」とか「儀式」というイメージをする人たちも多いと思いますが、これらの正装は、儀式の衣装とは違います。
儀式に参加するとき、主催するときはその儀式に従った衣装を身に着けますが、それを見に行く「オーディエンス」として参加するときは、だいたいみんな普段着です。
正装というのは、成人式で着物を着たり、結婚式でスーツを着たり、そういった時の一般的な正装です。
「正装」と「衣装」の違いですね。
学校や政府関係の職場では、「ネイティブアメリカンデー」や「インディジネスデー」というのがあって、それぞれの部族の正装をして学校や仕事に行く行事なんかがあったりします。
日本で、日本文化にかかわる人が毎日着物を着ているけど他のほとんどの人が洋服でいるように、ネイティブアメリカンの人たちも仕事やこだわりで着ている人以外は、みんな普通の服を着ているといった感じ。
西洋の文化や東洋の文化が和の文化に入ってきた日本の文化。日本の文化とネイティブアメリカンの文化って実は共通するところが本当にたくさんあるんですよ。
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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