ネイティブアメリカンの思考

Native American

 

 

ネイティブアメリカンの隠す思考

こちらの記事は先週の新聞の記事。右下に映っている1900年代初頭に撮影された女の子の写真に対しての問題の記事です。

コピーライトの問題「シルバースミスの娘として知られる家族の補償」

というタイトルになっています。

Adzaalchi Mitchellと名付けられ、1900年代初頭に撮影されたこのナバホの少女の写真は何千回も使われている。”シルバースミスの娘”として知られる彼女と彼女の家族や友達は、これ以上自分たちの許可なしにこの写真を使ってほしくないと主張する。「一人が使うのはいいと思うのだけど、いろいろな人が続けて使いだしたときに正直これは正しくないと思った。だって彼らはなんの利益も私たちにもたらさないんだから。」と16歳のひ孫は言う。「自分のおばあちゃんの写真だと思ったらどうだろう、もし自分のおばあちゃんの写真だったら、思い入れがあって使うのに躊躇すると思う。でも彼らはただそこにこの写真を使って、ただ製品を作っている。この写真は私たちが保管したい、だってこれは思い出で彼女は宝物だから。」

この少女であるおばあちゃんは107歳まで生きお亡くなりになっていて、これを撮影した写真家はもっともっと前に亡くなっています。

「ネイティブアメリカンの昔の写真」というだけで、「江戸時代の侍の写真」みたいに価値があって、それを使った製品がたくさん出回っているけど家族がそれを阻止したいと言っているという状況です。

 

「文化をほかの民族に盗まれてきたから隠す」

というのがとても分かりやすく表されているなと思った記事で、この写真はコピーライトが付き、法的な問題になったりしてどんどん使われなくなっていくのだと思います。

 

他人に利益をもたらすものを排除する文化

「ジュエリーを買って売るというビジネス」をする上で、これが結構いろいろな面で絡んできます。

 

〇インディアンジュエリーっぽいものを作っている外国人

〇部族の名前やデザインをつけたアパレルブランド

〇リザベーションの歴史的な場所を写真にして投稿する人

 

こういう仕事やスタイルの人たちは、ネイティブアメリカンが一番に排除したがる対象になります。

自分たちの文化、自分たちの仕事、自分たちの場所を仕事にしてお金を稼ぐということがNGで、それを守ろうと闘うNGOや政府団体もあるので時にとても大きな問題となります。

 

その作品がどういう意図で出てきたかとかは関係なく、ただただ自分たちのカルチャーを使っているということが問題になります。

 

伝統的な思考のおばあちゃんやおじいちゃんはまず第一に「お金稼ぎ」に対していいことではないと思っているので、「自分たちの文化を利用してお金を稼ぐ」ということに大反対する人もいます。

 

以前「ホピ族の思考を外国に行って広めている人が、ホピの伝統的なグループから外された」ということがありました。だから「彼は本当のホピ族の文化を広めているんじゃなくて、偽物だ。」という判断までされてしまいます。

 

時にはその文化は、ジュエリーを買って売るバイヤーまで飛び火して、「自分たちのジュエリーでそれだけ稼いでる、ずるい。」とか「安く買った自分たちのジュエリーを超高い価格で売って、それは詐欺だ。」などと言われます。

白人バイヤーやトレーダーはこうやって嫌われていきます。(日本人はまだ少しネイティブアメリカンのスピリット部分にも共感する人が多いので、少しマシです。)

 

そうして多くのトレーダーが巨額の利益を得ているのを見て、自分たちでもショップを作ろう!とナバホ族の政府が直営でショップを出しました。

しかし、マネージャー陣がお金を盗んだり、安いジュエリーばかり置いたり、原価割れするような雑貨ばかり売れたりと、うまくいきませんでした。

(目先の利益に走りがちなのはわかるけど、ちゃんとそこの知識共有をしておけばもっともっと大きな流れで文化の継承ができるのかもしれません。)

まとめ

日本人も白人さんも、どう頑張ってもネイティブアメリカンにはなれず、どんないいジュエリーを作っても、本物のインディアンジュエリーは作れないし、白人の写真家じゃなくてナバホ族の写真家と言った方が明らかに価値がある。

 

だから「本当にもったいない」と思います。

 

「ネイティブアメリカン以外の人々は、お金を払ってでもその文化を体験して、知識を知りたいと思っている。」

インディアンジュエリーに興味を持つ人がいて、ネイティブアメリカンのいい言葉の本を買う人がいるのがその証拠。

ネイティブアメリカンの人々が文化を共有して、そこに雇用やビジネスを生み出せるチャンスはすごくたくさんあります。でもその「共有をしてはいけない」というのが刷り込まれているから、みんな見せないし教えないし、マネする人をことごとく排除していきます。

 

だからまだネイティブアメリカンの文化は博物館に行かないと知ることができず、実際に生活していても、友達になっても知れないことが多々あります。

そこはずっと変わらないネイティブアメリカンのリアルな真髄です。

何のために仕事をするのかをネイティブアメリカンに学ぶ
今日は少し気温が高いです! (↑学校のお迎えの道。結構まだ雪が残ってます。) 私は日本では寒いのが大嫌いだったのですが、(毎年冬にはクラスで一人、二人いる超絶しもやけのある子どもだった。)よく北海道は意外に寒くないよって...

 

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