今日はコロンブスデー。
このブログでは何回か書いていると思いますが、ネイティブアメリカンの人々はコロンブスデーを祝いません。
コロンブスデー
コロンブスデーは1937年から祝日になっています。
政府関係、郵便局、銀行など公的機関は通常休み。
ネイティブアメリカンが多いここニューメキシコ州では感覚的なものですが2010年ごろまではもっと休んでいるところが多かったと思いますが、近年では通常営業するお店も増え、学校も休みではなくなりました。
ネイティブアメリカンが多いこの地域。公共の機関では決まりとしてのコロンブスデーの祝日といういい方はありますが、大々的に「コロンブスデーだからお休みします!」といういい方は避けている雰囲気です。
コロンブスに見つけられた立場の人々の権利がどんどん認められコロンブスデーの解釈が変わってきていて、私たちがコロンブスデーで休みというと「なぜコロンブスを祝うんだ」とからかわれたこともあります。(だからコロンブスデーは休みではありません!)
コロンブスデーを祝わないネイティブアメリカンの政府は、今日を「インディジネスデー」としています。
インディジネスデー(Indigenous day)
インディジネスをしっかり調べると「先住民族」という風に翻訳されるのですが、もともと「土着の」という意味で植物や動物に使われていた言葉だそうです。
それを人にも使って、土着の人々=先住民族という解釈になっています。
娘の学校では「今日はインディジネスデーなので伝統的な服装で学校に来ていいですよ!」という通知が朝来たので慌ててナバホの衣装で行かせました。
その時に娘が「日本の恰好で行っちゃだめなの?」と夫に聞き、夫はインディジネスの意味は「インディアンで、日本じゃないんだよ」という風に言っていて、アイヌの人々はインディジネスには入るだろうけれども、やはりその言葉自体が「先住民族」という意味で使われているんだと学びました。
現地のネイティブアメリカンの人々のイメージとしては、
ネイティブアメリカンの都会の人権活動家が決めた「インディジネス」という言葉。
というイメージで、都会から離れたリザベーションに住むネイティブアメリカンの人々はきっとその言葉すら知らない人もいます。
Facebookで情報収集して拡散しているようなネイティブアメリカンのニュースに敏感な人たちは当たり前に使っている言葉であっても、その人たちが決めた言葉で現実味がない感じです。
ちなみにこのブログではナバホ族という表現をしていますが、Navajo(ナバホ)はスペイン人に付けられた呼び名なので、自分たちはDine(ディネ)だという人々もいます。
この記事に少し呼び方のヒストリーが書いてあります。
でもディネはあまり浸透していないので、よっぽど信念があって突き通す人以外は結局あまり気にすることなく自分たちはナバホだという紹介に納まるという現状。
「部族は何ですか?」と聞いて「僕はディネです。」という人に会ったことは今までで一度もありませんが、インディアンマーケットの部族ではNavajo(Dine)と書かれています。
でも「インディアン」という言葉が「ネイティブアメリカン」という言葉に置き換えられつつあるように、これが5年後、10年後にはコロンブスデーがインディジネスデーとして浸透している可能性もありますよね。
そんなコロンブスデーのリアルでした。
ちなみに家の隣の甥っ子たちは、コロンブスデーだ!と言って前夜祭で花火を打ち上げていました(笑)どう呼ばれていようとそれが何の祝日であろうと、イベントとして楽しむスピリットがある人もたくさんいるのが現状です。
アメリカ、ニューメキシコ州在住、居住歴10年。ナバホ族の夫とリザベーションで二人の子育てをしながらインディアンジュエリーにかかわる仕事をしています。インスタ、ツイッター、Facebook、Youtubeがありますがインスタが一番身近な感じかと。
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