インディアンジュエリーをアーティストに直接オーダーするのはコスパが悪い理由

Indian Jewelry

テクノロジーの変化や市場の変化で伝統工芸品であるインディアンジュエリーの世界もめまぐるしく変化しています。

その中で最近とても多いのが、「直接アーティストに頼んだらもっと安く買えるんじゃないの⁉️」という疑問。

それにズバッと答えたいと思います。

専門店でもオーダーを受け付けていない店が多い。

アーティストから直接商品を買っているアメリカのディーラー、日本からアーティストに直接オーダーしているバイヤーさんでも、お客様のカスタムのオーダーを受けているお店はかなり少ないです。

その理由は簡単。

リスクが高すぎるからです。

直接頼んでも安いとは限らない。

まず、アーティストにとって1人のお客様はあくまでも「個人の小売りのお客様」です。

なのでインディアンジュエリーを直接作家に頼むと、普通に日本で買うより高い値段になることがあります。

個人は個人、バイヤーはバイヤー

アーティストもビジネスですから、ほとんどの人がそこはちゃんと線引きしています

だから、個人間で繋がってオーダーすれば安いんじゃないかというと、そうではありません。

SNSでのオーダーはほとんどが成立しない。(アーティストとお客さんのトラブルは絶えない。)

SNSで頼もうとする人のほとんどが、「直接頼んだら安くなるだろう」という思考のもとにアーティストにコンタクトします。

その結果。

思ったよりもめちゃ高い値段を言われた→騙されてる→この人信用できない→イヤ
少量のオーダーは受けてないと断られた→お客さんを選んでる→イヤ
出来上がりが思っていたのと違った→騙された→イヤ
お金の支払いで揉めた→イヤ
その他、サイズが違った、商品が送られてこなかった、2年も待ってるけどできない、送った石を無くされた、などなど。

 

とにかく、あまりにもリスクが高くて、イヤ!になる可能性がとてもとても高い

 

良くも悪くも、彼らは日本人の感覚ではありません。ネイティブアメリカンにとってお客様は神様ではありません!

1つのオーダーを仕上げられなかったからってアーティストには何のダメージもなく、あなたのダメージの方が断然大きいです。

 

そこのリスクを、ディーラー、バイヤーが背負っています。

全ては一点物。全く同じ石、同じデザイン、同じサイズを探すのは不可能に近い。

アメリカに行ったらもっと安く、色々なジュエリーが見られるかもと思っている方もいます。

確かに店の数は日本の比じゃないけれど、質が高いジュエリーの量は、日本の方があると思います。

 

アメリカにジュエリーを見に来た人がよくいう言葉、

第1位「もっと色々いい物があるかと思った!」

インディアンジュエリーは一点ものです。1人の作家が作っているものですから、時期によってあるものもないものもあります。

 

あくまでも、彼らの都合でジュエリーを作るという基本も忘れずに。

お金というもの
先日のリザベーションとは何か⁉の記事で、なんとなく、「へぇ~そうなんだぁ」と思っていただけたら、それを踏まえてネイティブアメリカンにとってのお金というものについて考えてみました。(ちょっと重い記事が続いてすいません。それにしてもパンのレシピ...

まとめ

アーティストと個人的に繋がるのはいいんだけど、インディアンジュエリーはお店でピンときた時に買うのが一番!

私がこれを書くと、店の利益増やしたいからじゃないの!?とか言われそうですが、そうではなくて第1に、「トラブルになって結局インディアンジュエリー、はたまたネイティブアメリカン全体を嫌いになってしまう人が結構多いから」です。

直接オーダーした方が安くできるだろうという気持ちから頼んだジュエリーは、大抵がうまくいかず、トラブルまではならなくても、お客さんから見るアーティストの印象を下げてしまっています。

 

「こういうのが昔からずっと欲しかった、高くてもいいから作って欲しい、でもアーティストの感性に任せて作って欲しい。」という気持ちでアーティストにオーダーするのはありだとは思います。でも上手く行かないリスクは高いと思っていてください。

うまくいかなかった時、

「あこがれであるアーティストに裏切られた感」

これがやってきます。

ディーラー、バイヤーは本当に長い年月で関係を築き上げながら、アーティストと毎回戦いながら商品をオーダーしています。

個人でこういう変なリスクをとるよりも、そのやり取りを踏まえて店頭に並んでいるその商品を手に取る方が、圧倒的にコスパがいい。

“慣れない英語でやり取りして、よくわからないお金のやり取りをしたうえに、100%満足できる商品が手に入る保証はない。”わけです。

「トヨタに個人で車を頼むよりも、いっぱい在庫があるディーラーから買った方が選択肢があって値段も抑えてもらえる。」そういう感じ。

こんなにテクノロジーが発達しても、メールや電話では無理なので、「バイヤーさんはアーティストの元を駆けずり回ってトラブルに遭遇しながら商品を仕入れている。」

それが何よりの証拠です。

ネイティブアメリカンだけに限らず、アメリカの会社って買いたい時に留守電入れても返事返ってこないのは普通。

日本人の「お客様は神様」精神はすばらしいけれど、万国共通ではないことも頭に入れておくと、価値観の違いというのを認められるような気がします。

 

ネイティブアメリカンをディスっているわけではなく、「いい関係でいられるために、その現状を知りいい距離を保つ」ことも大事なんだなと気づいたので、記事にしてみました。

 

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