ナバホ族の人々がジュエリーをつけ、儀式をする理由

Native American

昨日は休みで、久々に母のもとへおしゃべり。おばちゃんになってきたのか3週間も会わないとしゃべることがいっぱいで、朝ちょっと寄るつもりが一時までのんびりとべちゃくちゃしゃべり、お昼も食べて帰ってきました。

昨日記事を書いていた途中だったのですが、ナバホ族の母と今日色々と話していたらもっともっと根本的な理由があることに気づいたので書いておきます。

 

ナバホ族の人々がジュエリーをつける理由とは。

神様に見つけてもらうため

ナバホ族の人々は、よく祈ります。

日の出前に、太陽の出る東に向かって祈る。以前の記事にも出てきたコーンポレン(トウモロコシの花粉)を必ず持っていて、それで祈る。

特に何か心配なことや悪いことが起こっている場合は、メディスンマンを読んで儀式を行います。

主催者も参加者も、伝統的な服に身を包み、必ずジュエリーを着けています。

そこに「正装」として必ず使われる衣装たち。

ベルベットのシャツ、スカート、モカシンとジュエリー。

冠婚葬祭、卒業式、パーティ、何にでも来ていいける伝統的な正装スタイル。

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日本で言えば、着物を着る感覚に近いかな。

でも日本人がなぜ新年に着物を着るかって考えたことがないですよね?

ナバホ族の人々が正装するのは、「神様に見つけてもらうため」だそうです。

特にジュエリーは重要で、女性だったらブレスレットをつけてネックレスをしている、男性だったらボウガードやネックレスをしているということで神様に見つけてもらい、守って頂く。そういう意味があります。

だから、ナバホ族の人々にとっては「持っていなければいけないもの」なのですね。

ちなみにここでいう神様とは、他の宗教の神様というよりも、ナバホ独自の信仰の「神聖なる人々」Holyな人々。

なので、生まれた時から亡くなって土に埋められる時までジュエリーを着ける行為が染み付いています。

ジュエリーをつけている=ナバホ族

Photo by Ken Kanazawa

ジュエリーは財産として、家財としてとっておくという意味合いもあります。

が、どちらかというとそのジュエリーの価値そのものよりも、「ジュエリーを着ける」その行為自体が大切にされています。

なので本物のジュエリーが買えない人はとりあえず、本物ではなく偽物のジュエリーを買ってつけます。

これが本当のナバホ族のリザベーションの中や街の中から偽物が消えない理由。

 

現地の本当にジュエリーが必要な人々が安い偽物を買ってしまうからです。

海外の輸入品もたくさん出回っていて、プラスチックで作った儀式用のネックレスは本当によく見るし本当によく儀式で使われている。

そういう偽物で代用できるようになってきてから、逆に本物を探すのが難しいぐらい、日常的に本物のジュエリーを身につけている人というのは探しにくくなってきています。
インディアンジュエリーが全盛期だった1970年代、80年代は、銀が安く、ターコイズも安く、市場自体がもっと大きかったのでジュエリーの単価が安く、質のいいジュエリーが安く買える時代でした。
でも今はリザベーション内で低所得層として暮らしている人が、本物のインディアンジュエリーに手が届くかと言ったら、かなり難しい価格帯まで値段が上がってしまっています。
なので、本当に必要な人々に手が届く値段で、という風につくられたプラスチックの石をつかったジュエリーなどがどんどん作られるようになっているというわけです。
プラスチックで作られたジュエリーを否定するわけではなく、それがプラスチックだと言わない、またはそういう知識もなく作っている人もいるので、その目は自分で養うしかないわけです。

まとめ

 

ナバホ族の一員であることの誇り、自然に対する感謝などはこういった1つ1つの色々な教えが積もって現れるもので、本や人に聞いて私たちに染み付くものではありません。

だからいくらよそ者の白人や日本人が理解しようとしても簡単には身につかないし実際の深いところでの理解ができない。

アメリカも、ネイティブアメリカンも、愛国教育がすごいから自分たちがその一員であることを誇りに思っている人が多い。でも日本は敗戦国だからか、「日本人であることの誇り、日本の素晴らしさ」ってあまり教わることがないですよね?

着物を着ていると八百万の神に守ってもらえる!とか笑

ナバホ族であるなら、こうすべきだという教えにジュエリーが組み込まれている。それほどジュエリーというのは身近にある生活の一部です。

 

次回は「ジュエリーは投資だ」という記事を書くのですが、その前にこの記事で、ネイティブアメリカンの人々にとってのジュエリーの精神的な重要性を理解していただけたらと思います。

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